忍者ブログ
英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
[1] [2] [3] [4] [5
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.09.03,Mon

1.なぜ今のメールアドレスを使い始めたのか
今回は責任著者の連絡先となるメールアドレスについて、主に反省点をご紹介します。
まず私の責任著者用アドレスは「superonewex0506@yahoo.co.jp」です。メールアドレスは私が浪人時代を過ごした大手予備校、河合塾 名駅医進館「Superonewex」国公立大医進コースの「5期、6期」に所属していたことが由来です。当時はネットオークションが流行していた時期であり、何の気なしに作成したアドレスでした。

大学に入学した後は携帯電話のアドレスを主に使用していたこともあり、基本的にはPCで何らかの登録が必要な場合(旅行やネットショッピング)にしか使用していませんでした。

そういった経緯もあり携帯電話のアドレスが使用できなかったことも手伝って、「PC用だから」という理由で深く考えず責任著者用のアドレスに上記を設定してしまい現在非常に後悔しています。

2.今のメールアドレスを使用して生じた問題
論文投稿の際には大体のJournalでオンライン投稿審査システムが利用されており、その登録にアドレスが必須です(赤枠)。

またWeb誌面にはこんな感じで載ります。

こうなるとさぁ大変
思いついた不都合な実例を以下に紹介すると…

①所謂「ハゲタカJournal」から大量のSpamメールが送りつけられる(1日約100-200件)。
※メールの内容で面白かったものはこちらで紹介
②聞いたこともない学会や大学から大量の招待状を含んだSpamメールが送られてくる。
③謎の英文校正会社からの勧誘
④yahooメールがサーバーダウンした際に、提出期限が迫っている修正原稿をすぐに提出できなかった
⑤普段使いのメールも紛れてしまうため収拾がつかなくなった

などが挙げられます。

就職先のメールアドレスを使えばいい、とのご意見をいただくことがあるのですが、転勤に伴いアドレスが消滅してしまう可能性があります。

今回私が強調したいのは、メールアドレスは「仕事用」「普段使い用」をきっちり分けることが必要ということです。

投稿開始前に「そのアドレスを使用して本当に大丈夫か」よく吟味しましょう。

PR
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.08.01,Wed
1.ORCIDとは
今回はORCIDについて簡単にご紹介します。
そもそもORCIDとは「Open Research and Contributor Identifier」の略称であり、研究者に固有のIDを1つ与えることを目的とした非営利組織です。

例を挙げると「松浦 宏樹」という名前で論文投稿をした場合に同姓同名で別人の「松浦 宏樹」と混同させない、というものになります。

仮に「私」とは「別人の松浦 宏樹」が悪意をもって、「私」の業績を自分の業績とするかもしれません。でも字面からは区別がつきません。このようなことを防ぐために、研究者に16桁のIDが与えられます。

現在では世界中の様々な機関、ジャーナル、学会がORCIDを連携しており、IDの利用が可能です。
そのためORCIDのIDを持ってさえいれば、煩雑な自身の個人情報管理が一挙に楽に(いちいち入力しなくて済みます)なるため、作業の効率化がはかれます。また所属施設の変更などでの入力変更も一括で可能なため、転勤などで生じうる個人情報の変更に関連した膨大な作業が相当減少します。

またプライバシーに関してもフレキシブルに設定変更ができ、自分の専門分野や研究活動について公開し、研究者同士の繋がりを作ることも可能です。

私にはまだ縁のない話ですが助成金などの申請時にも便利なようです。
みなさんもこれを機に登録いかがでしょうか

登録はこちらから無料で簡単に可能です


Posted by Hiroki Matsuura - 2018.06.25,Mon
英文誌の特徴(Cleveland Clinic  Journal of Medicine 編)
Cleveland Clinic Journal of Medicine (CCJM) のClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
CCJMは、オハイオ州に位置しアメリカ国内でも屈指の優良病院であるCleveland Clinic から発行されている医学誌です。特に心臓外科部門は全米一の病院として22年間にわたって表彰されています。

2.内容
CCJMは年12回発行の月刊誌であり、Clinical Pictureのセクションも非常に充実しています。Clinical Picture は毎号2-3本掲載され、2017年度のImpact Factorは1.8 を記録しています。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. Clinical Pictureの字数は「300 words以下
2. 画像に関しては特に制限数に記載はないが、常識的に考えて「1-2枚程度」
3. Referenceは「5本以下
4. Authorの人数制限は明記されていません
5. 身体所見の場合は患者が「特定されないこと」が重要だが、やむをえない場合は同意書を取得すること
6. 鑑別疾患を挙げること、が重要視されている

4.査読
査読から返信までの時間はやや長めです。30-40日程度で最初の返信が返ってきます。査読の際は返信に窮するような質問が幾つも送られてきます。なお初めて本誌にAcceptされたChilaiditi sign のCaseでは8か月にわたって4回修正(1回はAccept後)を求められましたが、その分充実した報告になったことは間違いありません。
※傾向としてはManuscript numberが付与されるとAcceptされる可能性が高く、付与されない場合はRejectされています。今のところAcceptの2本と現在Minor Revisionの1本はいずれもこのパターンに当てはまります。

5. Accept後
1. Accept後、2か月程度で発行元から著作権委譲書のPDFが送られてきますので直筆のサインを添えてFAX or e-mailで送信します。
2. さらにその後2か月程経過して英文校正の連絡がきます。

6.その他
いずれのCaseであっても「鑑別疾患を挙げること」をかなり重要視しているのではないかと考えられます。誌面は教育的な内容が多く、初期研修医だけでなくすべての臨床医にとって考えさせるClinical Pictureが多いと感じます。
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.06.20,Wed
英文誌の特徴(Canadian Medical Association Journal 編)
Canadian Medical Association Journal (CMAJ) のClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
CMAJは1911年にカナダ内科学会の学会誌として創刊されました。有名な論文としては救急で使用されるTIAの指標、ABCD2 scoreの有効性が報告されています(参照:Perry, JJ, Sharma M, Sivilotti, MLA, Sutherland J, Symington, C, Worster A, et al. Prospective validation of the ABCD2 score for patients in the emergency department with transient ischemic attack. CMAJ. 2011; 183: 1137-1145.)。

2.内容
CMAJは年24回発行の英文誌であり、Clinical Pictureが毎号2本掲載されます。2017年のインパクトファクターは6.8と、いわゆる五大誌を除くと内科系の医学誌で最も高いインパクトファクターを有します。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. Clinical Pictureの字数は「300 words 以下
2. 画像は「2枚まで
3. Referenceは「3本以下
4. Authorは「3名以下」(2021年1月15日修正)

4.査読
査読から返信までの時間は厳格です。Clinical Pictureの場合は14日で返事がきます(Author
 Information に明記されています)。まずここを越えられるかが重要で、Rejectされなかった場合はCMAJ内部の査読者と外部の査読者(アメリカかヨーロッパの査読者)に査読が回ります。2人ともRejectならば当然Reject、片方が掲載可以上だと、さらに外部の査読者1名の判定に回るようです。それでも判定されなければチーフエディターによって判定されます。以上の内容は全てAuthor informationに明記されています。また査読料は無料です。

1. 14日以内にCMAJのEditorにまわり外部査読に回すか判定される
2. 1を越えるとCMAJ内部の査読者と外部の査読者の併せて2名によって判定される
3. 査読者のうち1人掲載可判定である場合はさらに外部の査読者1名にまわって判定される
4. それでも判定されなければチーフエディターによって判定される

5. Accept後
1. Accept後、2か月程度で発行元のカナダ内科学会から著作権委譲書のPDFが送られてきますので直筆のサインを添えてFAX or e-mailで送信します。
2. さらにその後2か月程経過して英文校正の連絡がきます。
※CMAJは1本しかAcceptされていないので傾向についてはわかりません

6.その他
1. CMAJで特筆すべきことは査読に回った場合には査読者からの評価が「たとえRejectであったとしても」しっかり送られてくることです。非常に建設的な意見が多く、丁寧に「どういう点を評価し、どこはダメなのか」を示してくれている場合が多いので、Rejectになったとしても次回も出そうという気持ちになる雑誌です。

※上記がRejectされた際に送られてきたコメントの一部です。この論文はReject後、Suggestionを参考に加筆修正し、QJMにAcceptされました。

Internal Medicineではやたら高圧的な評価が多く、建設的な意見が送られてきたことは皆無です。私が送ったClinical Pictureは提出してからそろそろ6か月になるんですが何の音沙汰もありません、一体どうなっているんでしょうか

※この記事を公開してわずか16時間後にAcceptの連絡がきました。

2. 有料誌であり、基本的には公開後1年経過すれば無料で読めることが出来るようになります。特に掲載号や別刷は送られてきていません。
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.06.19,Tue
英文誌の特徴(Quarterly Journal of Medicine 編)
2018年6月現在、私が最も多数のClinical PictureをAcceptされている雑誌、Quarterly Journal of MedicineについてClinical Pictureのセクションにおける傾向と特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
QJMの歴史を簡単にご紹介します。本誌はかの偉大な内科医Sir William Osler先生により、イングランド・アイルランド内科学会の学会誌として1907年に創刊されました。余談ですが感染性心内膜炎の所見として有名なOsler's nodeも本誌に報告され世界的に知られるようになりました(参照:Osler, W. Chronic infectious endocarditis. QJM. 1908; 2: 219-230.)。

2.内容
QJMは年12回発行の月刊誌であり、最近の英文誌にしては珍しくOriginal article 以外にも多数のCase report 及びClinical Pictureが掲載されています。傾向としては1月あたり4-6本のCase reportと5-8本のClinical Picture が掲載されています。また2017年のインパクトファクターは3.131と近年上昇傾向です。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. Clinical Pictureの字数は「500 words 以下だが 200-300 wordsが望ましい
2. 画像は「1枚
3. Referenceは「6本以下
4. Authorの人数制限は明記されていません
5. 身体所見の場合「Consent formが必要で、患者によるサインが必須」
6. 動画は受け付けていません(2021年1月16日追記)

4.査読
査読から返信までの時間は非常に短いです。Clinical Pictureの場合では最短で1日、最長でも14日で返事がきます。Acceptされる場合は7日以内がほとんどです(逆に7日を超えてしまうと経験的にほぼRejectという印象)。また査読料は無料です。コメントが付いていることはほとんどありません。

5.Accept 後
1. 発行元のOxford journalからAccept後1週間程度で著作権委譲についてのForm入力を求められます。こちらはオンラインで入力するのみで特別な用紙の作成は必要ありません。
2. 別刷が必要な場合はこちらでオーダーが可能です。
3. 著作権委譲Form入力後、1週間程度でAdvanced articleで記事がPDFで公開されます。
4. その後1週間から3週間後程度で英文校正の連絡がきます。

6.その他
1. 初掲載の場合には発行元のOxford journalより掲載号がCorresponding Authorに贈呈されるようです(1部のみ)。
プロフィール
HN:
Hiroki Matsuura
性別:
非公開
P R
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]