英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2024.07.29,Mon
Clinical PictureがAcceptされました(84本目)
少し珍しい甲状腺疾患に関するClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「Hypothyroidism with atypical CT findings」です。掲載誌はItalian Society of Internal Medicineの機関誌「Internal and Emergency Medicine(IF 3.2)」になります。今回は偶発的に指摘された甲状腺機能低下症の精査中に異所性甲状腺腫の一種である「舌甲状腺(Lingual thyroid)」を診断したケースになります。単純CTにも関わらず舌根部に比較的高輝度な境界明瞭で均一、充実性の大きな腫瘤が不気味に存在している非常に特徴的なClinical Pictureです。一度見たら忘れないでしょう。舌甲状腺は胎生期における甲状腺の下降障害が原因で起きるとされ、異所性甲状腺腫のうち最も頻度が高いとされています。舌甲状腺の臨床的な意義はおよそ70%の症例で甲状腺機能低下症を伴うとされており、甲状腺機能低下症の鑑別として重要です。また大多数の症例では無症状であるものの、まれに甲状腺腫の腫大により嚥下困難や気道狭窄を引き起こす場合があります。そのような症例においては甲状腺ホルモン補充療法を行うと反応性に腫脹が軽減するため、バイタルサインや呼吸状態に異常が認められなければ内服薬による保存的加療が選択されます。頻度は10-30万人に1人と決して高いものではありませんが、CTで偶発的にうつった場合に患者を適切な内分泌診療に繋げるためにも是非とも覚えてほしいClinical Pictureです。
100本まで残り16本です。
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