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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2023.08.15,Tue
英文誌の特徴(European Journal of Internal Medicine 編)
European Journal of Internal Medicine のClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
EJIMはEuropean Federation of Internal Medicine (EFIM)の公式学会誌です。

2.内容
EJIMは年12回(1回/月)発行される英文誌で、大規模な臨床研究からClinical Pictureまで多数の論文が掲載されています。2023年のIFは8.0です。

本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Internal Medicine Flashcards」です。本セクションでは毎号コンスタントに2-3本Clinical Pictureが掲載されています。個人的な印象ですが過去の掲載例を確認すると、他の総合内科系雑誌に比べてRare Diseaseが取り上げられる傾向が強いと感じています。特に疫学の違いが大きい症例は掲載されやすい印象があります。またクイズ形式になっていますのでMimic caseやDiagnostic Errorを起こしやすい症例が好まれるのではないかと思います。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると

1. まず簡潔な病歴を記載(175 words以下)し、Discussionを含んだCase description(225 words以下)から成るクイズ形式のClinical Pictureになります。※前半が短い場合は後半と併せて400 words以下であれば差し戻されません。
2. 画像は「1枚以内(複数のPanelが含まれるものは問題ありません)」でFigure Legendが必要
3. Referenceは「3本以下
4. Authorは「3名以下


4.査読
Clinical Pictureの査読としては早ければ14日から28日程度で最初のResponseがあります。査読についてですが、これまでAcceptされたケースではそこまで厳しい意見は飛んで来ませんでした。Kick or Acceptといった感じで「査読期間が少し長いQJM」のような印象です。

5. Accept後
Accept後、5営業日でArticle in pressとして掲載されました。修正や誤植があった場合にも迅速に対応してくれます。

6.その他
事務的な対応などは取り立てて変わったところはありません。質問事項に対しても丁寧な返信をいただけました。また以前よりもずっとResponseが良くなりました。近年Impact Factorが着実に上昇している内科系雑誌であり、個人的にもお気に入りのJournalです。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2021.11.02,Tue
英文誌の特徴(American Journal of Tropical Medicine and Hygiene 編)
American Journal of Tropical Medicine and HygieneのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
AJTMHはケース・ウェスタン・リザーブ大学が発行する熱帯医学・衛生専門誌であり、1952年に創刊されたAmerican Society of the Tropical Medicine and Hygieneの公式学会誌です。

2.内容
AJTMHは年12回(1回/月)発行される英文誌で、公衆衛生に関連した臨床研究から熱帯医学に関連する渡航感染症、寄生虫疾患に至るまで多数の印象深いCase reportが掲載されています。2020年のIFは2.126です。

本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Images in Clinical Tropical Medicine」になります。特にClinical Picture はコンスタントに毎号2-3本掲載されています。内容としては日本ではまず経験することが出来ない様々な感染症が目立ちます。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると

1. 字数は「200 words」ただし「複雑なケースの場合は400 words以下」と注記があります
2. 画像については制限枚数の記載はありません。※私のケースは3枚の経過が掲載されています
3. Referenceは「5本以下
4. Authorは「3名以下
5. Clinical Pictureのセクションは掲載料がかかりません(Case reportは掲載料がかかります)


4.査読
Clinical Pictureの査読としては40日程度で最初のResponseがありました(但しCOVID-19のケースだったので通常よりも早いかもしれません。以前投稿したCase reportは60日程度かかっています)。はじめCase reportとして投稿しましたが、投稿の10日後に「文字数を減らしてImages in Clinical Tropical Medicineに再投稿しなさい」と指示され、形式を整えたうえで再度投稿しました。その後30日程度で編集部より返信があり、1か月の期限で3点修正を求められました。Revisionを提出したところ2日後にAcceptとなりました。

5. Accept後
Accept後、5営業日でArticle in pressとして掲載されました。

6.その他
事務的な対応などは取り立てて変わったところはありません。質問事項に対しても丁寧な返信をいただけました。
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.10.10,Sun
英文誌の特徴(American Journal of the Medical Sciences 編)
American Journal of the Medical SciencesのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。

1.歴史
AJMSはSouthern Society for Clinical Investigationの公式学会誌です。また本誌は1820年に創刊された米国で2番目に古い歴史を持つ医学雑誌です。

2.内容
AJMSは年12回(1回/月)発行される英文誌であり、臨床研究から症例報告に至るまで複数の論文が掲載されています。2020年のIFは2.378であり内科英文誌のなかでは76番目(165雑誌中)に位置します。

本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Online Images in the Medical Sciences」になります。Clinical Picture はコンスタントに毎号4-5本掲載されています。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると

1. 字数は「500 words
2. 画像は「1枚以上3枚以下」でCaptionやLegendは必要ありません
3. Referenceは「3本以下
4. Authorは「3名以下
5. 提出の際にフォントはCalibri、12pointで統一するなど細々した指定が多いです


4.査読
ムチャクチャ遅いです。120日程度で返信がありました。今まで投稿したJournalのうちFirst responseで100日を超えたのはNEJM、IM以来(但しNEJMは見込みがなければ即Kick、IMはお察しください)です。これまで3度投稿していますがResponseはかなり悪いです。厳しい修正はありませんでしたが、3名のReviewerから15個ほど修正を求められました。修正の期限は2週間程度に指定されますが、音沙汰の全くない査読期間からすると少々納得いかない気分になります。

5. Accept後
Accept後、3営業日程度でArticle in pressとして掲載されました。

6.その他
事務的な対応なども「一般的」で特筆するような注意点はありません。
※編集部とのメールのやり取りがありましたが、査読期間に比べるとResponseは悪くありませんでした。
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.01.17,Sun
1.どんなJournalに投稿しているの?
同意書書式に次いで多くいただくご質問は「投稿する雑誌の選定はどうしているか」というものです。私が「厳格な基準をもって投稿している」と思い込んでいる方もおられるようですが実際には全くそんなことはありません。投稿を始めた時点で決めていたルールは以下の2点のみです。

1. 掲載料が有料のOpen Access誌には投稿しない
2. 必ずImpact Factorが付いている

Open Access誌は掲載料が非常に高額である場合が多いため、私のようなしがない
一勤務医にとってOpen Access Feeは金銭的な負担が大きすぎます。

何より後々「たくさんお金を払って載せてもらっているんでしょ?」と言われたくないというのが
理由になります(全てのOpen Access誌を否定するわけではありません)。またハゲタカジャーナル対策という側面があります(ハゲタカジャーナルとは)。

AJMやPMJ、Lancetの姉妹誌(Lancet Infectious Disease、Lancet Gastroenterologyなど)ではOpen Access Feeを支払わないと、Journalの購読会員以外はアクセスできません。ただしCMAJなどは一定の期間が過ぎれば無料でアクセスが可能になります。

Clinical Pictureは極めて実際的な教育的なツールであり、多くの臨床医が目にすることで
医療全体のPracticeを向上させる効果があると考えていますから
Impact Factorが付き、誰にでもアクセス可能である」という条件は投稿するJournalを選定する上で個人的には非常に重要な要素です。

Posted by Hiroki Matsuura - 2020.09.16,Wed
英文誌の特徴(Clinical Gastroenterology and Hepatology編)
Clinical Gastroenterology and HepatologyのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見です。

1.歴史
CGHは米国消化器学会の学会誌です。

2.内容
CGHは年12回(1回/月)発行される英文誌であり、臨床研究から症例報告に至るまで消化器内科領域の多数の論文が掲載されています。2019年のIFは8.549であり、消化器領域の英文誌のなかでは10番目に高いIFを記録するなど、消化器内科領域の有力医学誌の一つです。

本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Electronic Images of the Month」です。

3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると

1. 字数は「200 words※英文誌に珍しく「厳守」です。205 wordsでも再提出でした。
2. 画像は「4枚」以内でCaptionやLegendは必要ありません
3. Referenceは必要ありません
4. Authorは「3名以下
5. 本セクション投稿時に「20$」の投稿料が必要

4.査読
投稿したClinical Pictureは14日程度で返信がありました。

5. Accept後
Accept後、2-5営業日程度でArticle in pressとして掲載されます。掲載稿についてなどは追記します。

6.その他
実はEditorial Officeからの返信メールが迷惑メールに入ってしまい、Minor Revisionの修正期限を大幅に超過しての提出になりました。修正投稿の前に謝罪メールを送り、対応について質問したところ「全然問題ありません」と丁寧に返信をいただきました。返信も非常に早く、安心できる対応でした。
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