忍者ブログ
英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
[6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16
Posted by - 2025.04.26,Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by Hiroki Matsuura - 2019.10.24,Thu
Clinical Pictureが掲載されました(36)
先日アクセプトされました「Acute behavioural changes after a small fire」がPostgraduate Medical Journalの2019年10月号に掲載されています。

CO中毒は先進国における中毒死の原因の第一位であり、アメリカでは年間4万件発生しています。原因は不完全燃焼や火事、長時間にわたるエンジンや暖房器具の使用などが多く、比較的冬季に多く発生します。

CO中毒後の遅発性脳症に関しては、CO中毒後およそ2-4週間程度で発症突然の行動変容や無動無言、失認、失行があらわれます。タイムラグがあり発見が遅れる症例があるためやはり病歴聴取が重要です。さらに本症の発症はCOHb濃度とは特に関連がありません。COHb濃度が低くても全く油断できないのです。 なお本症はHBO(高圧酸素療法)で発症率を低下させることが近年明らかになっており、また遅発性脳症発症後もHBOが有効であったという報告がなされています。

画像所見としてMRIで淡蒼球に特徴的な変化が認められるため、冬季における急性発症の意識障害や無動、無言、パーキンソニズム患者があらわれた場合にはCO中毒を疑う病歴がないか確認し、疑わしければ画像検査とHBOの実施を検討しましょう。


以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
Acute behavioural changes after a small fire

是非ご参照ください
※有料会員のみ閲覧可能です
PR
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.10.11,Fri
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(6)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、9月24日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「爪の大部分が白色に変化するあの所見」です。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
爪の大部分が白色に変化するあの所見
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.08.30,Fri
Clinical Pictureが掲載されました(35)
先日アクセプトされました「Trench foot: A disease in the World War I」がPostgraduate Medical Journalの2019年9月号に掲載されています。

「塹壕足」とは凍傷に至らない程度の低温に長時間の曝露されることで生じる足趾の循環障害です。第一次世界大戦では機関銃の大規模な運用が行われるようになり、従来の戦術では火線(敵の前線)を突破することが非常に難しくなったことで、塹壕戦が戦争の多くを占めるようになりました。
兵士の仕事の多くは「塹壕堀り」になるほどに情勢が変化し、塹壕はひとたび雨が降ると水はけの悪さや衛生状態の悪化で感染症が蔓延しました。また当時の兵隊が着用していた分厚い革製のブーツに水が浸み込むことで、長時間の水曝露が生じ、結果として多くの兵士が足趾の循環障害から「塹壕足」を患い、感染症と相まって足の切断を余儀なくされるという事例が多発したのです。戦闘状態にない現代社会における塹壕足は、ホームレスなどの屋外生活者高齢者の水路転落などで認められます。

以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
Trench foot: A disease in the World War I

是非ご参照ください
※有料会員のみ閲覧可能です
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.08.03,Sat
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(5)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、8月2日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「感冒と診断後の発疹…ときに致死的なあの感染症」です。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
感冒と診断後の発疹…ときに致死的なあの感染症
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.07.03,Wed
Clinical Pictureが掲載されました(34)
先日アクセプトされました「Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome」がPostgraduate Medical Journalの2019年5月号に掲載されています。

今回はAcute Gastric Dilation(急性胃拡張)がSMA症候群によって生じたというCaseを取り上げています。そもそもSMA症候群は十二指腸水平脚Superior Mesenteric Artery(上腸間膜動脈)大動脈、あるいは脊椎に圧排されることで狭窄や閉塞をきたす疾患で若い痩せ型の女性に多いことが知られています。画像所見としてはSMAと大動脈の分岐角が正常よりも鋭角になっています。

急性胃拡張はその名の通り、過食や排出不良に伴う胃内容物の貯留で胃が拡張するという病態です。神経変性疾患や脳梗塞、糖尿病、術後再建、摂食障害、薬剤によって生じることが知られていますが本症例のようにSMA症候群でも起こりえます。SMA症候群では胃の内容物が大量に存在することで排出遅延が起こることから胃拡張を起こしやすいと考えられています。「ただの胃の拡張じゃないか」と思われる方も多いのですが、意外にも重症例が多数報告されています。

胃は支配血管が豊富であることから阻血になりにくいとされていますが、胃の急激な拡張で内部から血管が圧排され胃表面の血流が乏しくなり、最終的に組織壊死に至ると胃破裂をおこします。胃破裂を起こした場合の予後は不良であり死亡例が多数報告されていますから、本症の患者を診た際には胃管挿入による迅速な減圧が必要です。

本症例でも来院後すぐに胃管を挿入のうえ、胃表面の血流を腹部超音波検査で確認し注意深い経過観察を必要としました。さまざまな論文を確認すると急性胃拡張を起こした症例の多くで精神科疾患を有する場合が多いとされています。たとえ急性胃拡張が軽症で済んだとしても背景疾患として摂食障害がある可能性は否定できません。注意深い問診で患者の生活歴を知り、精神科や心療内科と相談しながら対応する必要があるかもしれません。

以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome
※有料会員のみ購読可能です
プロフィール
HN:
Hiroki Matsuura
性別:
非公開
P R
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]