忍者ブログ
英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
[3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13
Posted by - 2025.04.26,Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by Hiroki Matsuura - 2020.09.23,Wed
Clinical Pictureが掲載されました(42)
先日アクセプトされました「Chronic Abdominal Pain With Pus Discharge from the Umbilicus」がGastroenterology誌の2020年度9月号第3集に掲載されています。

今回の症例は間歇的な腹痛と臍部からの排膿を主訴に当院へ来院された尿膜管遺残(Urachal remnant)です。そもそも尿膜管とは胎児期に臍と膀胱とを結んでおり、胎児の尿を母体に流すための通り道となっています。通常出生とともに尿膜管は閉鎖し、成長に伴って消退していくのですが、本症ではその名の通り尿膜管が残存し細菌感染を起こすことで、本症例のような腹痛や臍部の発赤、排膿を生じます。

遺残した尿膜管は上記のように感染を繰り返すことにくわえ、非常に稀ながら悪性腫瘍の発生母地となりえます。そのため本症は外科的に尿膜管の切除が行われます。特に近年では腹腔鏡を用いた摘除術が広く実施されており、従来に比べてより低侵襲で治療が可能です。

本症の診断には造影CTやMRIなどが使用され、遺残物や膿瘍形成などを評価し治療を進めます。
臍部での繰り返す感染や膿汁排泄が認められる患者では尿膜管遺残を鑑別の1つに挙げましょう。

以下Journal記事のリンクです。
Gastroenterology
 Electronic Clinical Challenges and Images in GI
ぜひともご参照ください。
PR
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.08.20,Thu
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(14)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2020年8月20日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「『間欠的な痛み』以外の特徴がなかったあの疾患」です。
不定愁訴の中に混じる「ホンモノ」の疾患です。
医療者の間でも知名度の低い外科疾患について取り上げています。
 
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
『間欠的な痛み』以外の特徴がなかったあの疾患
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.08.14,Fri
Clinical Pictureが掲載されました(41)
先日アクセプトされました「Starry sky in the abdomenがLancet Gastroenterology and Hepatologyの2020年度8月号に掲載されています。 

今回の症例は若年のベトナム人女性が慢性の腹痛で受診され、結核性腹膜炎と診断されたケースです。結核性腹膜炎は全結核患者の0.5%程度に認められる非常に稀な疾患ですが、確定診断が極めて難しい疾患としても知られています。

本症の診断を困難とする要因としては特異的な検査が存在しないことが挙げられます。一般的に結核性腹膜炎では腹水を採取し結核菌に対するPCRや培養検査を行いますが、感度が非常に低く特に後者では15-30%程度でしか陽性になりません。診断に関しては腹水中のADAを測定することが有用ですが、ADAの結果がはっきりしない場合や腹水を安全に穿刺できない場合には、腹腔鏡を用いた直視下での観察と生検が実施されます。本症例ではまさに腹水穿刺路が確保できず、臍部から腹腔鏡を挿入し、直視下での観察にくわえ腹膜と大網を切除し病理検査を行いました。その際に採取された腹水は滲出性かつADAは高値を示しましたが、培養や結核菌PCRはやはり陰性でした。しかし大網の切除標本から顕微鏡下にラングハンス巨細胞が確認されたことにくわえ、腹腔鏡下で粟粒状の結節が腹腔内に広く観察されたことから結核性腹膜炎と診断し、抗結核薬にて治療を実施しました。

本症の治療は通常の結核治療と同様であり、一般的にはREF+PZA+INH+EBの4剤併用を2か月、さらにREF+INHの2剤併用を4か月(計6か月)実施します。

肝硬変のない若年者の原因不明の腹水を診た際には結核性腹膜炎を鑑別の1つとして忘れないようにしましょう。

以下journal記事のリンクです。
Lancet Gastroenterology and Hepatology
Clinical Picture
Starry sky in the abdomen
※有料会員のみ閲覧可能です

ぜひともご参照ください
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.07.14,Tue
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(13)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2020年7月10日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「手を合わせれば分かるあの所見」です。
糖尿病に関連した手軽に観察できる身体所見を取り上げています。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
手を合わせれば分かるあの所見
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.06.06,Sat
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(12)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2020年6月5日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「突然の胸痛の原因はあの物体」です。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
突然の胸痛の原因はあの物体
プロフィール
HN:
Hiroki Matsuura
性別:
非公開
P R
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]