英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.09.23,Wed
Clinical Pictureが掲載されました(42)
先日アクセプトされました「Chronic Abdominal Pain With Pus Discharge from the Umbilicus」がGastroenterology誌の2020年度9月号第3集に掲載されています。
今回の症例は間歇的な腹痛と臍部からの排膿を主訴に当院へ来院された尿膜管遺残(Urachal remnant)です。そもそも尿膜管とは胎児期に臍と膀胱とを結んでおり、胎児の尿を母体に流すための通り道となっています。通常出生とともに尿膜管は閉鎖し、成長に伴って消退していくのですが、本症ではその名の通り尿膜管が残存し細菌感染を起こすことで、本症例のような腹痛や臍部の発赤、排膿を生じます。
遺残した尿膜管は上記のように感染を繰り返すことにくわえ、非常に稀ながら悪性腫瘍の発生母地となりえます。そのため本症は外科的に尿膜管の切除が行われます。特に近年では腹腔鏡を用いた摘除術が広く実施されており、従来に比べてより低侵襲で治療が可能です。
本症の診断には造影CTやMRIなどが使用され、遺残物や膿瘍形成などを評価し治療を進めます。臍部での繰り返す感染や膿汁排泄が認められる患者では尿膜管遺残を鑑別の1つに挙げましょう。
先日アクセプトされました「Chronic Abdominal Pain With Pus Discharge from the Umbilicus」がGastroenterology誌の2020年度9月号第3集に掲載されています。
今回の症例は間歇的な腹痛と臍部からの排膿を主訴に当院へ来院された尿膜管遺残(Urachal remnant)です。そもそも尿膜管とは胎児期に臍と膀胱とを結んでおり、胎児の尿を母体に流すための通り道となっています。通常出生とともに尿膜管は閉鎖し、成長に伴って消退していくのですが、本症ではその名の通り尿膜管が残存し細菌感染を起こすことで、本症例のような腹痛や臍部の発赤、排膿を生じます。
遺残した尿膜管は上記のように感染を繰り返すことにくわえ、非常に稀ながら悪性腫瘍の発生母地となりえます。そのため本症は外科的に尿膜管の切除が行われます。特に近年では腹腔鏡を用いた摘除術が広く実施されており、従来に比べてより低侵襲で治療が可能です。
本症の診断には造影CTやMRIなどが使用され、遺残物や膿瘍形成などを評価し治療を進めます。臍部での繰り返す感染や膿汁排泄が認められる患者では尿膜管遺残を鑑別の1つに挙げましょう。
以下Journal記事のリンクです。
Gastroenterology
Electronic Clinical Challenges and Images in GI
ぜひともご参照ください。
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