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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by - 2025.04.26,Sat
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Posted by Hiroki Matsuura - 2017.08.15,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(18本目)
今回はIBD関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Crohn’s disease: Bamboo joint-like appearanceです。掲載雑誌は懲りずに英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

さてBamboo joint-like appearance(以下BJA)についてです。
Crohn病は一般的に「非連続性病変、敷石像、縦走潰瘍、狭窄」などの下部消化管内視鏡所見が代表的です。しかしながらこのBJAは1994年に本邦から初めて報告された上部消化管内視鏡所見で、Crohn病(まれに潰瘍性大腸炎も)に特徴的な所見として消化器内科医の間では有名なものです。またBJAを日本語に訳すと「竹の節状外観」と言うそうです。

Crohn病としての症状が出ていない状態でも、将来的にCrohn病を発病する可能性があります。竹の節状外観をみかけたときには腸管外症状を含めた問診や追加検査を行うことでCrohn病の早期発見につながるかもしれません。

写真は京都・嵐山で撮影した竹林です。


100本まで残り82本です。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2017.07.25,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(17本目)
今回はCommonな小児感染症のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Steeple sign & acute laryngotracheobronchitisです。

小児感染症として
犬吠様咳嗽が特徴的なクループの画像所見になります。
日本では「Pencil sign」と呼称されることの多い画像所見ですが「Steeple sign」と呼ばれるのが一般的なようです。Steepleというのは教会の尖塔のことです(写真はスロベニア・Piranの街並みで教会の尖塔が写っています)。

現在クループの75%はパラインフルエンザウイルスが原因となっており予後は良好です。
しかし予防接種の開発以前はジフテリア菌による致死的な疾患でありました。作曲家として名高いグスタフ・マーラーの娘もジフテリア
(2類感染症)に罹患し亡くなっています。

画像所見を出したのですが、クループの診断は身体所見が第一です。
犬吠様咳嗽を
聞いたことのない方はこちらを是非ともご参照下さい。

なお掲載雑誌は英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

100本まで残り83本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.07.20,Thu
Clinical PictureがAcceptされました(16本目)
今回は非常にCommonな感染症のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Pseudomembranous colitis掲載雑誌はまたまたまたまた英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

画像自体はGoogleで「偽膜性大腸炎」と検索すれば腐るほど出てくる典型的なCaseです。
しかしClostridium difficileによる本症は近年、重症化する株が米国で公衆衛生上大きな問題として取り上げられたり、FMT(糞便移植)による再発症例の治療がNEJMに掲載されたり、Toxinに対する分子標的薬が登場するなど、注目される出来事が実はたくさんありました。

それらを限られた行数で効率よく詰め込んだ結果Acceptされたのではないかと分析しています。
「読者を意識した投稿」を心がけようとあらためて感じた症例でした。


元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)

100本まで残り84本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.07.16,Sun
Clinical PictureがAcceptされました(15本目)
今回は非常に珍しい感染症のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「An imported case of leprosy in a trainee from Indonesia to Japan掲載雑誌はまたまたまたまた英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

タイトルの通り、外国人技能実習制度で来日されたインドネシア人男性がハンセン病と診断されたCaseについての簡単な報告です。ハンセン病に関しては御存知の通り、非常に長期にわたる差別の歴史について語られることが多い疾患ですが、衛生状態の改善した現在では、本邦を含めた先進各国において新規患者発生はほとんどありません(ほとんどが本症例のような輸入例)。そのため臨床像については「末梢神経障害を起こし、皮膚など体表面に潰瘍など変形を来たす非常に珍しい抗酸菌感染症」といった文言で知られているものの、実際に臨床で出会える機会というのは極めてであるといわざるをえません。

ハンセン病は病型が様々あり、特徴的な皮膚所見を呈するものがあります。本症例では感覚鈍麻を生じた白斑が主体(実は頸部の大耳介神経も肥厚しているのですが写真がぶれていて使い物になりませんでした)であり一見、薬剤による白斑や尋常性白斑を想起しがちになりますが、生検された皮膚からPCRでMycobacterium lepraeが検出され診断に至っています。


元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)

偉そうに能書きをたれていますが、正直なところ本症例に出会うまでは本症の臨床像について何も知りませんでした。Clinical pictureを書き始めて本当に学んだことの多い疾患です(特に疾患自体の負の歴史も含めて…もののけ姫の見方が変わります)。

今回の症例を書き上げるにあたっては三豊総合病院皮膚科の先生方のご協力がなければ不可能でした。本当にありがとうございました。

Clinical pictureの醍醐味と言えるようなCaseです。

100本まで残り85本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.07.04,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(14本目)
今回はCommonな感染症のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Milirary Tuberculosis掲載雑誌はまたまたまたまた英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

日本ではまだまだ制圧しきれていない結核関連のClinical Pictureです。誰もが教科書で見たことのある横断面ではなく、あえて胸写と比較した冠状断で目新しさを出してみました。


元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)

やはり結核は公衆衛生上絶対に診断が遅れてはいけない感染症になるので重要性が高く、また欧米と日本の疫学の違いからClinical Pictureでは狙い目の分野と言えるでしょう。

100本まで残り86本です。
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