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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by - 2025.04.25,Fri
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Posted by Hiroki Matsuura - 2018.06.14,Thu
Clinical PictureがAcceptされました(39本目)
今回は泌尿器科救急疾患であり、陰部の壊死性筋膜炎である「フルニエ壊疽」のClinical PictureがAcceptされました。タイトルはそのまま「Fournier's gangrene」です。

掲載雑誌は世界的に著明な米国の医療機関であるCleveland Clinicが発行する内科系雑誌「Cleveland Clinic Journal of Medicine(IF 1.8)」です。

1883年にFournierは陰嚢腫脹を呈する急性の男性器壊死の6例を報告しました。本症の名前の由来です。近年では性差なく陰部や肛門周囲から生じた壊死性筋膜炎をまとめてフルニエ壊疽と呼びます。

他の壊死性筋膜炎と同様に致死率が極めて高く、リスクファクターとして糖尿病、慢性アルコール多飲、悪性腫瘍、ステロイドの使用などが挙げられます。

フルニエ壊疽は壊死性筋膜炎の亜型になりますが、救命のためには早期診断が重要であり適切な抗菌薬使用と迅速なデブリードマンが欠かせません。本症例では来院時に腹腔内まで壊死が進行しており、全身状態が極めて悪かったため救命はかないませんでした。

診断に関しては早期に蜂窩織炎と鑑別が必要であり、一説によると15-34%程度しか正診されていないという報告もあります。他の壊死性筋膜炎と同様に、診断にはLRINEC score(ライネックスコア)が有用です。

(中京病院 救急科科長 黒木 雄一 先生のSlide shareよりお借りしました)

近年では高圧酸素療法の実施が検討されており、有効性についての研究が進められています。
救急の現場で本症を目の当たりにすると背筋も凍るような思いがしますが、迅速な診断と治療で救命に繋げてください。

100本まで残り61本です。
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