英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.06.21,Thu
Clinical PictureがAcceptされました(40本目)
今回は一般的な降圧薬による副作用に関するClinical PictureがAcceptされました。タイトルはそのまま「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」です。「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」 は直訳すると「カルシウム拮抗薬による歯肉腫脹」となります。カルシウム拮抗薬は降圧薬や冠攣縮性狭心症の治療薬として世界中で汎用されている薬剤になりますが、副作用についてはあまり論じられません。副作用として代表的なものは、顔面紅潮、頭痛、下腿浮腫、熱感、過度の降圧に伴う低血圧などが知られています。しかしこれら以外にも非常に少数ながら、機序が不明の歯肉腫脹を生じる場合があります。
歯肉腫脹を伴う薬剤として有名なものは他に、フェニトインやカルバマゼピンといった抗てんかん薬やシクロスポリンなど免疫抑制薬があります。
歯肉腫脹が生じた際には内服薬の変更や中止で改善するとされています。
また歯肉腫脹は歯面に歯垢が多いと重症化するケースが多いという報告があるため口腔ケアが重要です。
普段の診療で口腔内観察がつい疎かになりがちですが、口腔内や齲歯、舌、歯肉観察で思わぬ診断に繋がることがあります。日々の身体診察で忘れないように行いましょう。
掲載雑誌は日本内科学会が発行する英文誌「Internal Medicine(IF 0.815)」です。
100本まで残り60本です。
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