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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by - 2025.04.26,Sat
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Posted by Hiroki Matsuura - 2017.09.13,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(21本目)
今回も上部消化管関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Nodular gastritisです。掲載雑誌は久々に英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。

「Nodular Gastritis」は日本で上部内視鏡検査をしている医師ならば、誰もが一度は目にしたことのある特徴的な所見「鳥肌状胃炎」のことです。鳥肌状胃炎はH.pylori感染に伴い、前庭部におけるリンパ濾胞の増生を主座とした胃炎を言います。以前から若年女性の低分化型腺癌との関連が示唆されていますが、やはり疫学上の違いからか国外の英語論文は多くありません。

また欧米と日本との決定的な違いはH.pyloriが持つ遺伝子の違いが大きいと考えられています。特に
cagA及びvacAが代表的ですが、欧米のH.pyloriのほとんどはcagAを持っていません。逆に日本国内のH.pyloriは95%以上cagAを有しており、悪性度が高いことが知られています。


元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)

H.pylori感染に伴う疾患を復習しましょう。
代表的な疾患は胃十二指腸潰瘍」「胃癌」「慢性胃炎」「胃MALTリンパ腫は言わずもがなですが、他にもびまん性大細胞性リンパ腫(DLBCL)」「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」「鉄欠乏性貧血(小児貧血)に関連している場合があります。

なんで「鳥肌状胃炎」なんか通るんだ、と思われる方は多数おられることでしょう。
疫学の違いは思ったより身近なところに転がっている…かもしれません。

100本まで残り79です。
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