英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.09.13,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(21本目)
今回も上部消化管関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Nodular gastritis」です。掲載雑誌は久々に英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。
「Nodular Gastritis」は日本で上部内視鏡検査をしている医師ならば、誰もが一度は目にしたことのある特徴的な所見「鳥肌状胃炎」のことです。鳥肌状胃炎はH.pylori感染に伴い、前庭部におけるリンパ濾胞の増生を主座とした胃炎を言います。以前から若年女性の低分化型腺癌との関連が示唆されていますが、やはり疫学上の違いからか国外の英語論文は多くありません。
また欧米と日本との決定的な違いはH.pyloriが持つ遺伝子の違いが大きいと考えられています。特にcagA及びvacAが代表的ですが、欧米のH.pyloriのほとんどはcagAを持っていません。逆に日本国内のH.pyloriは95%以上cagAを有しており、悪性度が高いことが知られています。
元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)
H.pylori感染に伴う疾患を復習しましょう。
代表的な疾患は「胃十二指腸潰瘍」「胃癌」「慢性胃炎」「胃MALTリンパ腫」は言わずもがなですが、他にも「びまん性大細胞性リンパ腫(DLBCL)」「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」「鉄欠乏性貧血(小児貧血)」に関連している場合があります。
なんで「鳥肌状胃炎」なんか通るんだ、と思われる方は多数おられることでしょう。
疫学の違いは思ったより身近なところに転がっている…かもしれません。
100本まで残り79本です。
今回も上部消化管関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Nodular gastritis」です。掲載雑誌は久々に英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。
「Nodular Gastritis」は日本で上部内視鏡検査をしている医師ならば、誰もが一度は目にしたことのある特徴的な所見「鳥肌状胃炎」のことです。鳥肌状胃炎はH.pylori感染に伴い、前庭部におけるリンパ濾胞の増生を主座とした胃炎を言います。以前から若年女性の低分化型腺癌との関連が示唆されていますが、やはり疫学上の違いからか国外の英語論文は多くありません。
また欧米と日本との決定的な違いはH.pyloriが持つ遺伝子の違いが大きいと考えられています。特にcagA及びvacAが代表的ですが、欧米のH.pyloriのほとんどはcagAを持っていません。逆に日本国内のH.pyloriは95%以上cagAを有しており、悪性度が高いことが知られています。
元記事のリンクはこちら(追記:2018年4月20日)
H.pylori感染に伴う疾患を復習しましょう。
代表的な疾患は「胃十二指腸潰瘍」「胃癌」「慢性胃炎」「胃MALTリンパ腫」は言わずもがなですが、他にも「びまん性大細胞性リンパ腫(DLBCL)」「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」「鉄欠乏性貧血(小児貧血)」に関連している場合があります。
なんで「鳥肌状胃炎」なんか通るんだ、と思われる方は多数おられることでしょう。
疫学の違いは思ったより身近なところに転がっている…かもしれません。
100本まで残り79本です。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2017.09.08,Fri
Clinical PictureがAcceptされました(20本目)
今回は上部消化管関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Diffuse esophageal spasm: Corkscrew esophagus」です。掲載雑誌は"Green Journal"という別称を持つ内科系雑誌「American Journal of Medicine(IF 5.55)」です。内科系雑誌として著名な雑誌の一つであり、Clinical PictureやCase Reportを数多く掲載しています。
症例はDiffuse Esophageal Spasm(びまん性食道痙攣)に特徴的な「Corkscrew Esophagus」の内視鏡像と食道造影を取り上げています。機序は未だ解明されていないところが大きいのですが、一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失により食道同期性収縮波を惹起していると考えられています。原因不明の胸痛の鑑別疾患として忘れてはなりません。なぜなら薬物療法としてCaブロッカーが有用であり、ACSとの鑑別が最も重要な事項です。近年ではアカラシアの内視鏡的治療であるPOEMが一部の症例に有用であったとの報告があります。
100本まで残り80本です。
今回は上部消化管関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Diffuse esophageal spasm: Corkscrew esophagus」です。掲載雑誌は"Green Journal"という別称を持つ内科系雑誌「American Journal of Medicine(IF 5.55)」です。内科系雑誌として著名な雑誌の一つであり、Clinical PictureやCase Reportを数多く掲載しています。
症例はDiffuse Esophageal Spasm(びまん性食道痙攣)に特徴的な「Corkscrew Esophagus」の内視鏡像と食道造影を取り上げています。機序は未だ解明されていないところが大きいのですが、一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失により食道同期性収縮波を惹起していると考えられています。原因不明の胸痛の鑑別疾患として忘れてはなりません。なぜなら薬物療法としてCaブロッカーが有用であり、ACSとの鑑別が最も重要な事項です。近年ではアカラシアの内視鏡的治療であるPOEMが一部の症例に有用であったとの報告があります。
100本まで残り80本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.09.07,Thu
Clinical Pictureが掲載されました(6)
先日Acceptされた「Imaging, superior mesenteric vein (SMV) sign and bowel ischaemia」「Green nail syndrome」の2本がQuarterly Journal of Medicineの9月号に同時に掲載されています。
以下Journal記事のリンクです。
「Imaging, superior mesenteric vein (SMV) sign and bowel ischaemia」
「Green nail syndrome」
目指せ1年Complete!
先日Acceptされた「Imaging, superior mesenteric vein (SMV) sign and bowel ischaemia」「Green nail syndrome」の2本がQuarterly Journal of Medicineの9月号に同時に掲載されています。
以下Journal記事のリンクです。
「Imaging, superior mesenteric vein (SMV) sign and bowel ischaemia」
「Green nail syndrome」
また本号のQJMでは本邦からは他に南相馬市立総合病院で被災地支援に多大な貢献をされている尾崎 章彦先生の記事が同時に掲載されています。昨年11月に福島県沖で起こった地震への対応に関連して、2011年の震災の教訓が十分に生かされていない可能性についての論説です。QJMの注目記事として掲載されています。
リンクはこちら
「Tsunami in 2011 to the earthquake in 2016 in Fukushima—are we better prepared? 」
(追記:2017年9月14日)
目指せ1年Complete!
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.08.27,Sun
Clinical PictureがAcceptされました(19本目)
今回は耳鼻科救急疾患のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Thumb sign and Vallecula sign」です。掲載雑誌はカナダ内科学会の発行する内科系雑誌「Canadian Medical Association Journal(IF 6.8)」です。世界的に著明な内科系雑誌の一つであり、IFも申し分なく高いため当誌へのAcceptは隠れた目標の一つでした。
様々なJournalに投稿してきましたがReplyの速さやAuthorへの誠実さでCMAJに勝さる英文誌は他に見当たりません。この点については後日紹介しますが別格別次元の素晴らしい対応です(記事はこちら)。
肝心の症例についてですが急性喉頭蓋炎の喉頭高圧撮影写真で認められる有名なSignを取り上げています。言わずもがな急性喉頭蓋炎は致死的な疾患であるため迅速な診断と確実な気道確保が求められます。ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hibによる急性喉頭蓋炎は近年のワクチン接種によって非常に減少していますが、現在では他の菌種(Staphylococcus aureusやGroup A β-hemolytic streptococci)による症例の割合が増えているそうです。
Croupの症例でも記載しましたが「身体所見」が非常に重要な疾患です。
咽頭所見が乏しいのに「唾が飲めない」「ふくみごえ(口にものを入れているかのような声)」がある患者に出会ったときは本症を念頭に対応しましょう。
100本まで残り81本です。
今回は耳鼻科救急疾患のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Thumb sign and Vallecula sign」です。掲載雑誌はカナダ内科学会の発行する内科系雑誌「Canadian Medical Association Journal(IF 6.8)」です。世界的に著明な内科系雑誌の一つであり、IFも申し分なく高いため当誌へのAcceptは隠れた目標の一つでした。
様々なJournalに投稿してきましたがReplyの速さやAuthorへの誠実さでCMAJに勝さる英文誌は他に見当たりません。この点については後日紹介しますが別格別次元の素晴らしい対応です(記事はこちら)。
肝心の症例についてですが急性喉頭蓋炎の喉頭高圧撮影写真で認められる有名なSignを取り上げています。言わずもがな急性喉頭蓋炎は致死的な疾患であるため迅速な診断と確実な気道確保が求められます。ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hibによる急性喉頭蓋炎は近年のワクチン接種によって非常に減少していますが、現在では他の菌種(Staphylococcus aureusやGroup A β-hemolytic streptococci)による症例の割合が増えているそうです。
Croupの症例でも記載しましたが「身体所見」が非常に重要な疾患です。
咽頭所見が乏しいのに「唾が飲めない」「ふくみごえ(口にものを入れているかのような声)」がある患者に出会ったときは本症を念頭に対応しましょう。
100本まで残り81本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2017.08.15,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(18本目)
今回はIBD関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Crohn’s disease: Bamboo joint-like appearance」です。掲載雑誌は懲りずに英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。
さてBamboo joint-like appearance(以下BJA)についてです。
Crohn病は一般的に「非連続性病変、敷石像、縦走潰瘍、狭窄」などの下部消化管内視鏡所見が代表的です。しかしながらこのBJAは1994年に本邦から初めて報告された上部消化管内視鏡所見で、Crohn病(まれに潰瘍性大腸炎も)に特徴的な所見として消化器内科医の間では有名なものです。またBJAを日本語に訳すと「竹の節状外観」と言うそうです。
Crohn病としての症状が出ていない状態でも、将来的にCrohn病を発病する可能性があります。竹の節状外観をみかけたときには腸管外症状を含めた問診や追加検査を行うことでCrohn病の早期発見につながるかもしれません。
写真は京都・嵐山で撮影した竹林です。
100本まで残り82本です。
今回はIBD関連のClinical PictureがAcceptされました。
タイトルは「Crohn’s disease: Bamboo joint-like appearance」です。掲載雑誌は懲りずに英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.1)」です。
さてBamboo joint-like appearance(以下BJA)についてです。
Crohn病は一般的に「非連続性病変、敷石像、縦走潰瘍、狭窄」などの下部消化管内視鏡所見が代表的です。しかしながらこのBJAは1994年に本邦から初めて報告された上部消化管内視鏡所見で、Crohn病(まれに潰瘍性大腸炎も)に特徴的な所見として消化器内科医の間では有名なものです。またBJAを日本語に訳すと「竹の節状外観」と言うそうです。
Crohn病としての症状が出ていない状態でも、将来的にCrohn病を発病する可能性があります。竹の節状外観をみかけたときには腸管外症状を含めた問診や追加検査を行うことでCrohn病の早期発見につながるかもしれません。
写真は京都・嵐山で撮影した竹林です。
100本まで残り82本です。
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