英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.03.07,Thu
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(2)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、3月1日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げたのは、最近様々な勉強会でも取り上げられるようになり徐々に一般化の兆しを見せている「Frank's徴候(Diagonal Earlobe Crease)」についてです。
詳細は本記事を参照いただきたいのですが、Frank's 徴候は耳朶に後下方45度の角度に走るしわのことであり冠動脈疾患や脳梗塞と関連すると言われています。1983年にNEJMに掲載されて以降著者の名を冠して「Frank's sign」と呼称されるようになりました。
以下日経BPから送付されてきたメール。
「日々の診療の中で「診ているようで診ていない身体所見」や「診断に直結する特徴的な画像所見」を中心に取り上げていく本コラム。今回も、外表面に表れているのにも関わらず、よほど意識しない限り注目することのない「あの部位」の所見を紹介します。ローマ皇帝ハドリアヌスにも、この所見があったそうです!」
「あの部位」とぼかして若干ハードルを上げられているような気がするのですが…
とりあえず「今更こんなの出すなよ、知ってるわ」とか言わないでください。
本記事にも記載しておりますが、実際に当所見から冠動脈狭窄を同定し早期治療に結びついたケースもあります。特殊な検査器具も必要ない、お金もかからない、侵襲性も皆無な「ただ見るだけ」の本所見、明日からの診療で患者さんの耳朶に注目してはいかがでしょうか。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「明日から注目せざるを得なくなる、あの部位の話」
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、3月1日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げたのは、最近様々な勉強会でも取り上げられるようになり徐々に一般化の兆しを見せている「Frank's徴候(Diagonal Earlobe Crease)」についてです。
詳細は本記事を参照いただきたいのですが、Frank's 徴候は耳朶に後下方45度の角度に走るしわのことであり冠動脈疾患や脳梗塞と関連すると言われています。1983年にNEJMに掲載されて以降著者の名を冠して「Frank's sign」と呼称されるようになりました。
以下日経BPから送付されてきたメール。
「日々の診療の中で「診ているようで診ていない身体所見」や「診断に直結する特徴的な画像所見」を中心に取り上げていく本コラム。今回も、外表面に表れているのにも関わらず、よほど意識しない限り注目することのない「あの部位」の所見を紹介します。ローマ皇帝ハドリアヌスにも、この所見があったそうです!」
「あの部位」とぼかして若干ハードルを上げられているような気がするのですが…
とりあえず「今更こんなの出すなよ、知ってるわ」とか言わないでください。
本記事にも記載しておりますが、実際に当所見から冠動脈狭窄を同定し早期治療に結びついたケースもあります。特殊な検査器具も必要ない、お金もかからない、侵襲性も皆無な「ただ見るだけ」の本所見、明日からの診療で患者さんの耳朶に注目してはいかがでしょうか。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「明日から注目せざるを得なくなる、あの部位の話」
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Posted by Hiroki Matsuura - 2019.02.05,Tue
Cadetto.jpで連載が始まりました(1)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて連載が始まりました。コーナー名は「撮っておきClinical Picture!」です。記念すべき第一回は普段の診療で見落としがちな「爪」に関するClinical Pictureをご紹介します。
Cadetto.jp購読は会員登録が必要ですが無料です。
以前「初期研修医が国際学会に臨むために必要なこと」というコラムを書かせていただいたというご縁があり、今回の依頼も快諾しました。
今後も可能な限り、ブログと同じように連載を継続していきたいと考えているので是非Cadetto.jpの方もご参照ください。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「大ヒントが隠れているあの部位、診てますか?」
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて連載が始まりました。コーナー名は「撮っておきClinical Picture!」です。記念すべき第一回は普段の診療で見落としがちな「爪」に関するClinical Pictureをご紹介します。
Cadetto.jp購読は会員登録が必要ですが無料です。
以前「初期研修医が国際学会に臨むために必要なこと」というコラムを書かせていただいたというご縁があり、今回の依頼も快諾しました。
今後も可能な限り、ブログと同じように連載を継続していきたいと考えているので是非Cadetto.jpの方もご参照ください。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「大ヒントが隠れているあの部位、診てますか?」
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.01.15,Tue
Clinical Pictureが掲載されました(29)
先日アクセプトされました「Eschrechia coli rib osteomyelitis」と「Tensilon test: myasthenia gravis」の2本がQuarterly Journal of Medicineの1月号に同時に掲載されています。
前者は肋骨骨髄炎の起炎菌は黄色ブドウ球菌などグラム陽性球菌が大多数を占めます。しかしながら時にグラム陰性桿菌でも骨髄炎が起きうるという症例報告です。
後者は救急外来に飛び込みであらわれた複視の女性であり、テンシロンテストを実施して一発診断に至った症例です。入院経過中も主治医として診療・治療に携わることができ、そして幸いにもステロイドに対する治療反応が良好な症例でした(治療初期にも呼吸状態の増悪は起こりませんでした)。複視が取れて患者さんが立ち上がることができるようになった日、患者さんの眩しいばかりの笑顔は初期研修中の忘れえぬ思い出です。また本例は初めて動画を投稿しアクセプトされた症例にもなります。最近は様々なJournalで動画が掲載されつつあるようです。
以下Journal記事のリンクです。
Quarterly Journal of Medicine
Case report
「Eschrechia coli rib osteomyelitis」
Quarterly Journal of Medicine
Clinical pictures
「Tensilon test: myasthenia gravis」
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.01.01,Tue
Clinical Pictureが掲載されました(28)
新年あけましておめでとうございます。本年度も細々とですが続けて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます。早速ですが先日アクセプトされました「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」が2019年1月1日付のIntenal Medicineに掲載されています。
カルシウム拮抗薬は降圧薬や冠攣縮性狭心症の治療薬として世界中で汎用されている薬剤になりますが、副作用についてはあまり論じられません。歯肉腫脹を伴う薬剤として有名なものは他に、フェニトインやカルバマゼピンといった抗てんかん薬やシクロスポリンなど免疫抑制薬があります。
普段の診療で口腔内観察がつい疎かになりがちですが、口腔内や齲歯、舌、歯肉観察で思わぬ診断に繋がることがあります。日々の身体診察で忘れないように行いましょう。
以下Journal記事のリンクです。
「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」
2019年も頑張って参ります。
ぜひとも記事をご参照ください。
新年あけましておめでとうございます。本年度も細々とですが続けて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます。早速ですが先日アクセプトされました「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」が2019年1月1日付のIntenal Medicineに掲載されています。
カルシウム拮抗薬は降圧薬や冠攣縮性狭心症の治療薬として世界中で汎用されている薬剤になりますが、副作用についてはあまり論じられません。歯肉腫脹を伴う薬剤として有名なものは他に、フェニトインやカルバマゼピンといった抗てんかん薬やシクロスポリンなど免疫抑制薬があります。
普段の診療で口腔内観察がつい疎かになりがちですが、口腔内や齲歯、舌、歯肉観察で思わぬ診断に繋がることがあります。日々の身体診察で忘れないように行いましょう。
以下Journal記事のリンクです。
「Calcium channel blocker-induced gingival overgrowth」
2019年も頑張って参ります。
ぜひとも記事をご参照ください。
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.12.25,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(48本目)
今回は皮膚科感染症及び院内感染に関するClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「Norwegian scabies」です。掲載雑誌は世界的に著明な米国の医療機関であるCleveland Clinicが発行する内科系雑誌「Cleveland Clinic Journal of Medicine(IF 3.37)」です。
Norwegian scabiesは角化型疥癬の通称「ノルウェー疥癬」のことです。疥癬はヒゼンダニによって生じる皮膚感染症であり、激痒と表現される非常に強い痒みを特徴とします。一般的な疥癬(通常疥癬)は免疫力が正常な人にも感染が起き、病巣には数十匹程度の虫体が存在しますが、免疫力の低下した患者に起きる角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では数百万を超える虫体と爆発的な感染力を有します。本症例では残念なことに、私と指導医の皮膚科Drが感染してしまいました。このような爆発的な感染力のため院内感染が起きる危険が非常に高く、Clinical Pictureでその性状を知ることが非常に有用な疾患の一つだと考えられます。
なぜノルウェー疥癬と呼ぶのかというと決してノルウェーの患者が多かったわけでなく、本症の報告者であるDaniel Cornelius Danielssen(M.leprae発見者の Armauer Hansenの義父)がノルウェー出身であったからです。なんと迷惑な話でしょう。当然ノルウェー出身者はこの呼び名をひどく嫌います。仮に私が発見してたとしたら「Japanese scabies」にでもなっていたのでしょうか、甚だ迷惑ですね。
治療法はクロタミトンやフェノトリン、硫黄製剤などの外用薬とイベルメクチンの内服です。
特にノルウェー疥癬では全身状態が悪化している患者が多く、イベルメクチンの早期内服が非常に重要となります。イベルメクチンはご存知の方も多いとは思いますが、2015年度のノーベル生理医学賞を受賞された大村 智先生によって合成されたマクロライド系の経口駆虫薬であり、中南米やアフリカで河川失明症を引き起こすオンコセルカ症、東南アジアで未だ流行している糞線虫症、そして本症に非常に効果的です。
なおノルウェー疥癬にステロイド軟膏は基本的に禁忌です。よくあるパターンとしては寝たきり全介助の高齢者に皮疹があらわれ「特に何も考えなく」ステロイド軟膏を処方し、増悪しているのに継続する、といったパターンがあります。本症例でも同様の経過があり、療養型の病院で「何の考えなく」ステロイド軟膏を長期間にわたって塗布され続けて増悪し、病院職員にも多数疥癬患者が出たというものでした。
本症の確定診断は虫体の確認ですが、疑わしい病歴として「周囲の疥癬患者」「ステロイド軟膏使用歴」などの聴取が必要です。経験者は語る…ではありませんがムチャクチャ痒いです。
仮に寝たきりで言葉も発せない高齢者がノルウェー疥癬に罹患していたとしたら「拷問」以外のなにものでもないと思われます。院内感染、周辺地域における公衆衛生上、本症は大きな問題となりうるため早期診断が非常に重要です。なおヒゼンダニ自体はヒトの皮膚を離れると室内環境で最大72時間程度しか生きることが出来ません。よって本症患者に触れた可能性のあるもののうち、洗浄可能なものに関しては温水での洗浄とドライクリーニングを実施し、洗浄が難しいものに関しては3日程度触れないことが求められます。早期診断と感染拡大予防に本症例を他山の石として有効活用いただけますと幸いです。
100本まで残り52本です。
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Hiroki Matsuura
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