英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2018.10.01,Mon
Clinical PictureがAcceptされました(43本目)
今回は感染症に関連するCase ReportがAcceptされました。タイトルは「Escherichia coli Rib Osteomyelitis」です。掲載誌は英国内科学会の発行する内科系雑誌「Quarterly Journal of Medicine(IF 3.204)」になります。骨髄炎はほとんどの症例が細菌感染によるものであり、外傷に伴う直接感染や菌血症による散布性の血行性感染を要因とします。場所としては体内の中でも圧倒的に長管骨が多く、今回のCaseのような肋骨骨髄炎は統計的にも非常に珍しいとされています。いずれの骨髄炎においても、発熱や疼痛、体重減少など非特異的で漠然とした症状のみが継続するため診断に難渋する場合も少なくありません。多くの症例では菌血症や、骨折、膿瘍形成など重大な合併症を生じて初めて診断に至ります。治療としては早期診断と適切な抗菌薬投与、症例によっては迅速な外科的デブリードメントが必要です。
元記事のリンクはこちら(追記:2020年9月30日)
起炎菌としては黄色ブドウ球菌や結核菌、アクチノマイセス属菌などグラム陽性菌で起こる場合が大多数を占めるのですが、今回の症例ではグラム陰性桿菌として非常に一般的なE.coliによって生じていることも注目すべきポイントです。なおPubmedで検索したところ骨髄炎にグラム陰性菌が関与しているケースは非常に限定されており、ほとんどの症例はサルモネラ属菌によるものでした。そして検索しえた限り大腸菌による肋骨骨髄炎は本症例以外に報告はありません。非常に単純ですが珍しい症例なので形にできてよかったです。
100本まで残り57本です
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