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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2023.02.22,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(73本目)
さて今回は「繰り返す鼻血」を引き起こす特徴的な常染色体優性遺伝疾患に関連したClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「A pale man with recurrent epistaxis」です。掲載誌は「The Royal College of Emergency Medicine」とBMJが主催する「Emergency Medicine Journal(IF 3.814)」になります。本誌には今回が初めてのAcceptになります。

今回の症例は上部消化管出血を疑われた高齢男性の口腔粘膜と舌に特徴的な毛細血管拡張が存在したため、詳細な問診と併せて遺伝性毛細血管拡張症(Osler-Weber-Rendu病)と診断したケースになります。

Osler-Weber-Rendu病は常染色体優性遺伝形式をとります。また「繰り返す鼻出血」が特徴的であり成人症例の90%に認められると報告されています。身体所見としては全身の皮膚粘膜に大小様々な毛細血管拡張が出現しますが、今回の症例でも舌や口唇に毛細血管拡張が多発していたことから本症を疑い診断に至りました。毛細血管拡張は胃や十二指腸で認められることもあり、上部消化管出血の原因になりえます。貧血が進行したり、多発する場合にはAPC焼灼術などで対応します。他の臓器異常としては肺動静脈瘻、肝臓血管奇形、脳血管奇形などが代表的です。

鼻血を繰り返す患者さんでは本症を鑑別疾患の一つとして忘れず、粘膜所見を丁寧に確認しましょう。

100本まで残り27本です。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2022.12.26,Mon
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(33)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2022年12月26日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「CTやMRIに所見はないが…『ここはどこ?』となるあの疾患」です。
今回ご紹介するClinical Pictureですが疾患を知らない状態のままERで出会うと非常に驚きます。人体の記憶領域の不可思議さを実感させられる疾患です。是非ともご参照ください。
以下、記事のリンクです。
Posted by Hiroki Matsuura - 2022.12.02,Fri
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(32)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2022年12月2日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「香川県の医師なら誰でも分かる! あの“所見”」です。
今回ご紹介するClinical Pictureですが、私が初期研修医時代を過ごした「香川県」で勤務する医師の間ではとてもCommonなCT画像になります。過去には某東京の有名病院主催のCase conferenceでも取り上げられ、かなりのインパクトを会場に与えたようです。是非ともご参照ください。
以下、記事のリンクです。
Posted by Hiroki Matsuura - 2022.09.21,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(72本目)
さて今回は甲状腺の針生検時に稀に生じる合併症に関連したClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「Cracking Thyroid」です。掲載誌は米国で2番目に古い歴史を誇る内科系雑誌「American Journal of the Medical Sciences(IF 2.378)」になります。

甲状腺を針生検した際に、非常に稀ながら急速に甲状腺がびまん性に腫大し頚部圧迫感疼痛呼吸困難感を呈する場合があります。突然発症で患者の苦痛の訴えも強く、外見上も頚部腫脹が目立ちますが、大半の症例は冷却と安静で改善します。甲状腺を専門にするDrでは割と目にする合併症のようですが一般的な認知度は低くClinical PictureやCase reportもほとんど存在しません。

本症はドップラー超音波検査の画像が特徴的であり、血流の乏しい樹枝状の低エコー領域が穿刺部から甲状腺全体に拡がる様子がわかります。その様子がまるで「割れ目」のように観察されるのでCracking Thyroidと呼ばれるのです。甲状腺穿刺後の合併症としては動脈穿刺による大量出血との鑑別が重要であるため、甲状腺穿刺後に頚部腫脹を来たした患者では超音波検査で両者を鑑別する必要があるでしょう。

100本まで残り28本です。
Posted by Hiroki Matsuura - 2022.09.16,Fri
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(31)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2022年9月16日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「患者さんに『なかったこと』にされがちなあの疾患の珍症例」です。
今回ご紹介するのはちょっと変わった「珍しい虫垂炎」に関するClinical Pictureです。
是非ともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
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