忍者ブログ
英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
[204] [203] [202] [201] [200] [199] [198] [197] [196] [195] [194
Posted by Hiroki Matsuura - 2022.09.21,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(72本目)
さて今回は甲状腺の針生検時に稀に生じる合併症に関連したClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「Cracking Thyroid」です。掲載誌は米国で2番目に古い歴史を誇る内科系雑誌「American Journal of the Medical Sciences(IF 2.378)」になります。

甲状腺を針生検した際に、非常に稀ながら急速に甲状腺がびまん性に腫大し頚部圧迫感疼痛呼吸困難感を呈する場合があります。突然発症で患者の苦痛の訴えも強く、外見上も頚部腫脹が目立ちますが、大半の症例は冷却と安静で改善します。甲状腺を専門にするDrでは割と目にする合併症のようですが一般的な認知度は低くClinical PictureやCase reportもほとんど存在しません。

本症はドップラー超音波検査の画像が特徴的であり、血流の乏しい樹枝状の低エコー領域が穿刺部から甲状腺全体に拡がる様子がわかります。その様子がまるで「割れ目」のように観察されるのでCracking Thyroidと呼ばれるのです。甲状腺穿刺後の合併症としては動脈穿刺による大量出血との鑑別が重要であるため、甲状腺穿刺後に頚部腫脹を来たした患者では超音波検査で両者を鑑別する必要があるでしょう。

100本まで残り28本です。
PR
Comments
Post a Comment
Name :
Title :
E-mail :
URL :
Comments :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
Hiroki Matsuura
性別:
非公開
P R
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]