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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2023.02.22,Wed
Clinical PictureがAcceptされました(73本目)
さて今回は「繰り返す鼻血」を引き起こす特徴的な常染色体優性遺伝疾患に関連したClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「A pale man with recurrent epistaxis」です。掲載誌は「The Royal College of Emergency Medicine」とBMJが主催する「Emergency Medicine Journal(IF 3.814)」になります。本誌には今回が初めてのAcceptになります。

今回の症例は上部消化管出血を疑われた高齢男性の口腔粘膜と舌に特徴的な毛細血管拡張が存在したため、詳細な問診と併せて遺伝性毛細血管拡張症(Osler-Weber-Rendu病)と診断したケースになります。

Osler-Weber-Rendu病は常染色体優性遺伝形式をとります。また「繰り返す鼻出血」が特徴的であり成人症例の90%に認められると報告されています。身体所見としては全身の皮膚粘膜に大小様々な毛細血管拡張が出現しますが、今回の症例でも舌や口唇に毛細血管拡張が多発していたことから本症を疑い診断に至りました。毛細血管拡張は胃や十二指腸で認められることもあり、上部消化管出血の原因になりえます。貧血が進行したり、多発する場合にはAPC焼灼術などで対応します。他の臓器異常としては肺動静脈瘻、肝臓血管奇形、脳血管奇形などが代表的です。

鼻血を繰り返す患者さんでは本症を鑑別疾患の一つとして忘れず、粘膜所見を丁寧に確認しましょう。

100本まで残り27本です。
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