先日acceptされました「Longitudinal sloughing mucosal casts: dabigatran-induced oesophagitis」がEuropean Heart Journal の9月号第3週巻に掲載されています。
DOACsは近年登場した抗凝固薬です。代表的なものにリバーロキサバン(イグザレルト)、エドキサバン(リクシアナ)、アビキサバン(エリキュース)、そして今回のClinical Pictureで取り上げたダビガトラン(プラザキサ)があります。
それぞれ特性があり腎機能低下症例、拮抗薬の存在、内服回数などで選択薬が異なります。
この4剤のうちダビガトランだけが食道炎を起こします。非常に珍しい合併症になりますが、病歴聴取を怠ると見逃されかねない疾患です。DOACsのうちダビガトランを開始されていて、消化器症状があらわれた方には本症の可能性を考えましょう
以下Journal記事のリンクです。
European Heart Journal
Cardiovascular Flashlight
「Longitudinal sloughing mucosal casts: dabigatran-induced oesophagitis」
ぜひともご参照ください。
先日アクセプトされました「Macaroni sign: Takayasu arteritis」がQuarterly Journal of Medicineの9月号に掲載されています。
高安病の特徴としては他の膠原病や血管炎と異なり、発見から1世紀以上経過した現在においても特異的な血液検査や抗体検査が発見されていないことが挙げられます。教科書に記載のある典型的な身体所見として脈拍の消失や血圧の左右差などがあります。
高安病は妊娠可能な若年女性に多いのも特徴です。
高安病を疑う病歴があり、上記のような身体所見があれば被曝のない低侵襲な超音波検査が有用と言えます。今回投稿したMacaroni signは早期診断に繋がる非常に重要な検査所見です。若年女性の不定愁訴を見た際には高安病を鑑別疾患として忘れないようにしましょう。
以下Journal記事のリンクです。
Quarterly Journal of Medicine
Clinical pictures
「Macaroni sign: Takayasu arteritis」
是非ご参照ください。
Fournier's gangreneは早期診断、早期治療開始が可能か否かで救命率に非常に大きな差が出てしまう疾患です。陰部の疼痛や変色などを診た際には、つねに鑑別診断として忘れないようにしましょう。
以下Journal記事のリンクです。
Cleveland Clinic Journal of Medicine
The Clinical picture
「Fournier's gangrene」
かなりショッキングな画像が含まれます。非医療者の方は十分にお気を付けください。
1.なぜ今のメールアドレスを使い始めたのか
今回は責任著者の連絡先となるメールアドレスについて、主に反省点をご紹介します。
まず私の責任著者用アドレスは「superonewex0506@yahoo.co.jp」です。メールアドレスは私が浪人時代を過ごした大手予備校、河合塾 名駅医進館「Superonewex」国公立大医進コースの「5期、6期」に所属していたことが由来です。当時はネットオークションが流行していた時期であり、何の気なしに作成したアドレスでした。
大学に入学した後は携帯電話のアドレスを主に使用していたこともあり、基本的にはPCで何らかの登録が必要な場合(旅行やネットショッピング)にしか使用していませんでした。
そういった経緯もあり携帯電話のアドレスが使用できなかったことも手伝って、「PC用だから」という理由で深く考えず責任著者用のアドレスに上記を設定してしまい現在非常に後悔しています。
2.今のメールアドレスを使用して生じた問題
論文投稿の際には大体のJournalでオンライン投稿審査システムが利用されており、その登録にアドレスが必須です(赤枠)。
またWeb誌面にはこんな感じで載ります。
こうなるとさぁ大変
思いついた不都合な実例を以下に紹介すると…
①所謂「ハゲタカJournal」から大量のSpamメールが送りつけられる(1日約100-200件)。
※メールの内容で面白かったものはこちらで紹介
②聞いたこともない学会や大学から大量の招待状を含んだSpamメールが送られてくる。
③謎の英文校正会社からの勧誘
④yahooメールがサーバーダウンした際に、提出期限が迫っている修正原稿をすぐに提出できなかった
⑤普段使いのメールも紛れてしまうため収拾がつかなくなった
などが挙げられます。
就職先のメールアドレスを使えばいい、とのご意見をいただくことがあるのですが、転勤に伴いアドレスが消滅してしまう可能性があります。
今回私が強調したいのは、メールアドレスは「仕事用」「普段使い用」をきっちり分けることが必要ということです。
投稿開始前に「そのアドレスを使用して本当に大丈夫か」よく吟味しましょう。
タイトルは「Longitudinal sloughing mucosal casts: Dabigatran-induced Esophagitis」です。
掲載誌はなんと欧州循環器学会が発行するJournalで、循環器内科領域を扱う雑誌で最も高いImpact Factorを誇る「European Heart Journal(IF 23.425)」です!
DOACsは近年登場した直接経口凝固薬を指します。代表的なものにリバーロキサバン(イグザレルト)、エドキサバン(リクシアナ)、アビキサバン(エリキュース)、そして今回のClinical Pictureで取り上げたダビガトラン(プラザキサ)があります。
それぞれ特性があり腎機能低下症例、拮抗薬の存在、内服回数などで選択薬が異なります。ワーファリンとの最大の違いはPT.INRのモニタリングをしなくてよいという点です。ただしワーファリンに比べると値段が非常に高いという弱点があります。
さて今回の症例ですが、ダビガトランの副作用の一つとして消化器内科のDrの間では有名な食道炎を取り上げています。他のDOACsではこのような副作用が起こることはありません。要因として服薬時の飲水量や食道狭窄の有無などが検討されていますが、未だ機序は不明です。
ダビガトラン関連食道炎では中部から下部食道にかけて、白色膜様の付着物を伴う食道粘膜障害(Longitudinal sloughing mucosal casts)が特徴的な内視鏡所見となります。
ダビガトランを導入した場合に胸焼けや食思不振があらわれた際には本症を鑑別として忘れず、内視鏡検査を実施してください。
正直なところ、ここまでIFの高い専門誌にAcceptされるとは考えていませんでした。
ダメもとでのチャレンジも時には必要かもしれません。
今回投稿したEuropean Heart Journalについてはこちらをご参照ください
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