英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.11.24,Sun
Clinical Pictureが掲載されました(37)
先日アクセプトされました「Dengue rash: white islands in a sea of red」と「Acute calcific retropharyngeal tendinitis」の2本がPostgraduate Medical Journalの2019年12月号に同時に掲載されています。
デング熱は蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)によって媒介され、本邦では近年マラリアを抜いて渡航感染症の報告数の首位をひた走るウイルス感染症です。潜伏期間は3-14日間、感染者の80%は無症状で経過するものの、発症すると症状として眼痛、頭痛、筋肉痛、発熱、関節痛、嘔気、嘔吐などがあらわれ、ときに重症型へ移行し死亡する可能性があります。本症には4種類のウイルス型があり、以前に違う型に感染した既往のある患者が違う型にあらたに感染した場合には重症化の頻度が上昇します。
タイ、ベトナム、フィリピンなどデング熱の流行地域からの入国者が増える中で、本症は今後も警戒すべき輸入感染症の1つです。当院における感染者の渡航先はタイ、バングラデシュ、スリランカからでした。今回の写真はデング熱の解熱後、2-3日後に認められる典型的な皮疹を取り上げています。この皮疹を「White islands in a sea of red (赤い海に浮かぶ白い島々)」と呼び、渡航感染症を担当する感染症医の間では非常に有名な所見です。
もう1例の「石灰化頚長筋腱炎」は頸部痛の鑑別としてしばしば忘れがちな疾患です。本症は椎前筋を形成する頚長筋にハイドロキシアパタイトが沈着して発症しますが、治療はNSAIDsやステロイド、安静など保存的加療で自然軽快することが知られており予後は良好な疾患です。
しかしながらFive Killer Sore Throatの1つとして知られる咽後膿瘍と本症は臨床的に非常に似た所見を示すため注意が必要です。かたや生命にかかわる緊急疾患であるというのは対応に難渋する可能性があり、本症を疑われる患者がERに来院された際には頭を悩ませます。
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Dengue rash: white islands in a sea of red」
「Acute calcific retropharyngeal tendinitis」
ご参照ください
※本誌は有料会員のみ閲覧可能ですが、2019年12月は創刊者であるSir William Osler 先生が亡くなられてからちょうど100年という節目に当たるため、Osler Centenary Editionと題した特別号になります。無料記事も多く、卒後臨床教育に関わる非常に有意義な内容になっておりますので是非一度ご覧ください。
先日アクセプトされました「Dengue rash: white islands in a sea of red」と「Acute calcific retropharyngeal tendinitis」の2本がPostgraduate Medical Journalの2019年12月号に同時に掲載されています。
デング熱は蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)によって媒介され、本邦では近年マラリアを抜いて渡航感染症の報告数の首位をひた走るウイルス感染症です。潜伏期間は3-14日間、感染者の80%は無症状で経過するものの、発症すると症状として眼痛、頭痛、筋肉痛、発熱、関節痛、嘔気、嘔吐などがあらわれ、ときに重症型へ移行し死亡する可能性があります。本症には4種類のウイルス型があり、以前に違う型に感染した既往のある患者が違う型にあらたに感染した場合には重症化の頻度が上昇します。
タイ、ベトナム、フィリピンなどデング熱の流行地域からの入国者が増える中で、本症は今後も警戒すべき輸入感染症の1つです。当院における感染者の渡航先はタイ、バングラデシュ、スリランカからでした。今回の写真はデング熱の解熱後、2-3日後に認められる典型的な皮疹を取り上げています。この皮疹を「White islands in a sea of red (赤い海に浮かぶ白い島々)」と呼び、渡航感染症を担当する感染症医の間では非常に有名な所見です。
もう1例の「石灰化頚長筋腱炎」は頸部痛の鑑別としてしばしば忘れがちな疾患です。本症は椎前筋を形成する頚長筋にハイドロキシアパタイトが沈着して発症しますが、治療はNSAIDsやステロイド、安静など保存的加療で自然軽快することが知られており予後は良好な疾患です。
しかしながらFive Killer Sore Throatの1つとして知られる咽後膿瘍と本症は臨床的に非常に似た所見を示すため注意が必要です。かたや生命にかかわる緊急疾患であるというのは対応に難渋する可能性があり、本症を疑われる患者がERに来院された際には頭を悩ませます。
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Dengue rash: white islands in a sea of red」
「Acute calcific retropharyngeal tendinitis」
ご参照ください
※本誌は有料会員のみ閲覧可能ですが、2019年12月は創刊者であるSir William Osler 先生が亡くなられてからちょうど100年という節目に当たるため、Osler Centenary Editionと題した特別号になります。無料記事も多く、卒後臨床教育に関わる非常に有意義な内容になっておりますので是非一度ご覧ください。
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Comments
無題
コメント失礼します。
先生はカメラはどのようなものを使用しておりますか?一眼、デジカメ等でしょうか。日々の写真撮影の撮り方など先生が工夫されておられることなどあればご教授いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
先生はカメラはどのようなものを使用しておりますか?一眼、デジカメ等でしょうか。日々の写真撮影の撮り方など先生が工夫されておられることなどあればご教授いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
コメントありがとうございました
コメントありがとうございました。Canon製のコンデジでS120という機種を使用しています。2013年に購入したもので特殊なレンズなどはなく、一般的で安価なコンデジです。撮影に関してはブレたりすることがあるので複数枚(1回で15枚以上、角度を変えて)撮影します。また意外と向きや部位が理解しにくい場合があるので、メルクマールとなるような身体部位が入るようにしています。
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