英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.12.22,Tue
Clinical PictureがAcceptされました(64本目)
今回は甲状腺腫瘍と誤認されやすい比較的珍しい食道憩室に関連するClinical PictureがAcceptされました。タイトルは「Mimicking a Thyroid Nodule: Killian-Jamieson Diverticulum」です。掲載誌は米国で2番目に古い歴史を誇る内科系雑誌「American Journal of the Medical Sciences(IF 1.911)」です。本誌は今回が初めての掲載になります。「Killian-Jamieson憩室」は比較的珍しい食道憩室であり、知名度の低さからZenker憩室と誤認されている場合がほとんどです。そもそもKillian-Jamieson憩室は輪状咽頭筋と食道縦走筋間隙(Laimer三角部)から圧出する仮性憩室で、輪状咽頭筋から外側前方に飛び出すため甲状腺腫瘍と間違われやすいという特徴があります。
(出典:Ali Zakaria, Mohammed Barawi. Endoscopic treatment of Killian-Jamieson diverticulum using submucosal tunneling diverticulotomy technique. VideoGIE. 2020; 5(11): 525-526.)
特に甲状腺超音波検査では食物残渣などにより内部が高エコーに見える場合があり、腫瘍と誤認されて不必要な穿刺や外科手術に至ったという症例が過去に報告されています。
甲状腺腫瘍との超音波検査上の鑑別点は、嚥下で内部が変化することです。動的な変化および食道との連続性を観察することが重要であり、甲状腺超音波検査を実施するDrは注意すべき食道憩室かもしれません。
臨床上大きな問題になることは多くありませんが、しばしば遷延する咳嗽、頸部痛の原因になることがあり、症状が強い場合には外科的切除を実施します。本症例では頸部痛があるものの、症状は自制内であることから外来にて経過観察中です。
なお本症例は2020年12月3-5日に宮城県で開催されました第93回日本超音波医学会で発表(WEB)致しました。
100本まで残り36本です
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