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英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。 New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
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Posted by - 2025.04.27,Sun
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Posted by Hiroki Matsuura - 2019.12.10,Tue
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(8)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、12月10日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「『赤い海』からやってきたあの感染症」です。
赤い海というタイトルでピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが最近ニュースなどでも
みかけるようになった渡航感染症について取り上げています。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
『赤い海』からやってきたあの感染症
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Posted by Hiroki Matsuura - 2019.12.05,Thu
1. 失踪日記2 アル中病棟
医師に勧めたい漫画を紹介します。今回ご紹介するのは先日69歳で亡くなられた漫画家 吾妻ひでお先生の「失踪日記2 アル中病棟」です。吾妻先生は「ななこSOS」などのヒット作を持ち、数々の受賞歴を持つ有名漫画家です。しかしながら低迷期に入るとアルコール依存症に陥り失踪、自殺未遂、遂には精神科病院に入院するなど破天荒な経歴を持っていました。自身の経験を軽妙なタッチで描いた本作は精神科以外の医師にとって学ぶところのとても多い名作です。本作ではアルコール依存症の症状を描いた「入院前」と「入院治療」について患者目線で描かれており、どんな教科書よりも臨場感に溢れています。

正確なデータを示すことは難しいのですが、研修病院として精神科がしっかりと存在するところは決して多くないと思われます。特に隔離病棟やアルコール依存症治療を専門に実施しているとなると非常に限られた施設、あるいは精神科単科の病院がほとんどでしょう。現在の研修形式では精神科研修は必修でありますが、ほとんどの施設では院外の精神科単科病院への短期派遣で研修が行われています。

内科であれ外科であれERに立てば問題飲酒行動を含めたアルコール関連疾患は決して珍しくありません。「あーこの患者アル中だよね」「アル中患者はちょっと…」と苦い思い出がある先生方も多いと思われますが、アルコール関連疾患の治療の原則は断酒です。特効薬がない以上、近隣の精神科との連携がこれらの疾患治療の成否に重要であることは言うまでもありません。そんな現状ですが、実際精神科病院においてアルコール依存症患者がどのような治療を受け、生活しているのかを理解している方はわずかだと思われます。本書はそんな患者の生活をコミカルに描いており、断酒会やAAの存在などアルコール依存症の患者を社会で支援する取り組みなどについても紹介しています。

吾妻先生のご冥福をお祈りするとともに本書が多くの医師・医療従事者に読まれることで、アルコール依存症に対する治療に関して、より理解が深まるきっかけになればと思います。

アル中病棟 失踪日記2 [ 吾妻ひでお ]

価格:1,430円
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感想(67件)

Posted by Hiroki Matsuura - 2019.11.24,Sun
Clinical Pictureが掲載されました(37)
先日アクセプトされました「Dengue rash: white islands in a sea of red」と「Acute calcific retropharyngeal tendinitis」の2本がPostgraduate Medical Journalの2019年12月号に同時に掲載されています。

デング熱は蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)によって媒介され、本邦では近年マラリアを抜いて渡航感染症の報告数の首位をひた走るウイルス感染症です。潜伏期間は3-14日間、感染者の80%は無症状で経過するものの、発症すると症状として眼痛、頭痛、筋肉痛、発熱、関節痛、嘔気、嘔吐などがあらわれ、ときに重症型へ移行し死亡する可能性があります。本症には4種類のウイルス型があり、以前に違う型に感染した既往のある患者が違う型にあらたに感染した場合には重症化の頻度が上昇します。

タイ、ベトナム、フィリピンなどデング熱の流行地域からの入国者が増える中で、本症は今後も警戒すべき輸入感染症の1つです。当院における感染者の渡航先はタイ、バングラデシュ、スリランカからでした。今回の写真はデング熱の解熱後、2-3日後に認められる典型的な皮疹を取り上げています。この皮疹を「White islands in a sea of red (赤い海に浮かぶ白い島々)」と呼び、渡航感染症を担当する感染症医の間では非常に有名な所見です。


もう1例の「石灰化頚長筋腱炎」は頸部痛の鑑別としてしばしば忘れがちな疾患です。本症は椎前筋を形成する頚長筋にハイドロキシアパタイトが沈着して発症しますが、治療はNSAIDsやステロイド、安静など保存的加療で自然軽快することが知られており予後は良好な疾患です。

しかしながらFive Killer Sore Throatの1つとして知られる咽後膿瘍と本症は臨床的に非常に似た所見を示すため注意が必要です。かたや生命にかかわる緊急疾患であるというのは対応に難渋する可能性があり、本症を疑われる患者がERに来院された際には頭を悩ませます。

以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
Dengue rash: white islands in a sea of red
Acute calcific retropharyngeal tendinitis

 ご参照ください
※本誌は有料会員のみ閲覧可能ですが、2019年12月は創刊者であるSir William Osler 先生が亡くなられてからちょうど100年という節目に当たるため、Osler Centenary Editionと題した特別号になります。無料記事も多く、卒後臨床教育に関わる非常に有意義な内容になっておりますので是非一度ご覧ください。
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.11.17,Sun
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(7)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、11月14日付で新しい記事が掲載されました。

今回のタイトルは「ダウン症診療で見逃してはいけないあの所見」です。
ぜひともご参照ください。

以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
ダウン症診療で見逃してはいけないあの所見
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.10.24,Thu
Clinical Pictureが掲載されました(36)
先日アクセプトされました「Acute behavioural changes after a small fire」がPostgraduate Medical Journalの2019年10月号に掲載されています。

CO中毒は先進国における中毒死の原因の第一位であり、アメリカでは年間4万件発生しています。原因は不完全燃焼や火事、長時間にわたるエンジンや暖房器具の使用などが多く、比較的冬季に多く発生します。

CO中毒後の遅発性脳症に関しては、CO中毒後およそ2-4週間程度で発症突然の行動変容や無動無言、失認、失行があらわれます。タイムラグがあり発見が遅れる症例があるためやはり病歴聴取が重要です。さらに本症の発症はCOHb濃度とは特に関連がありません。COHb濃度が低くても全く油断できないのです。 なお本症はHBO(高圧酸素療法)で発症率を低下させることが近年明らかになっており、また遅発性脳症発症後もHBOが有効であったという報告がなされています。

画像所見としてMRIで淡蒼球に特徴的な変化が認められるため、冬季における急性発症の意識障害や無動、無言、パーキンソニズム患者があらわれた場合にはCO中毒を疑う病歴がないか確認し、疑わしければ画像検査とHBOの実施を検討しましょう。


以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
Acute behavioural changes after a small fire

是非ご参照ください
※有料会員のみ閲覧可能です
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