英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.11.02,Tue
英文誌の特徴(American Journal of Tropical Medicine and Hygiene 編)
American Journal of Tropical Medicine and HygieneのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。
1.歴史
AJTMHはケース・ウェスタン・リザーブ大学が発行する熱帯医学・衛生専門誌であり、1952年に創刊されたAmerican Society of the Tropical Medicine and Hygieneの公式学会誌です。
2.内容
AJTMHは年12回(1回/月)発行される英文誌で、公衆衛生に関連した臨床研究から熱帯医学に関連する渡航感染症、寄生虫疾患に至るまで多数の印象深いCase reportが掲載されています。2020年のIFは2.126です。
本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Images in Clinical Tropical Medicine」になります。特にClinical Picture はコンスタントに毎号2-3本掲載されています。内容としては日本ではまず経験することが出来ない様々な感染症が目立ちます。
3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
American Journal of Tropical Medicine and HygieneのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。
1.歴史
AJTMHはケース・ウェスタン・リザーブ大学が発行する熱帯医学・衛生専門誌であり、1952年に創刊されたAmerican Society of the Tropical Medicine and Hygieneの公式学会誌です。
2.内容
AJTMHは年12回(1回/月)発行される英文誌で、公衆衛生に関連した臨床研究から熱帯医学に関連する渡航感染症、寄生虫疾患に至るまで多数の印象深いCase reportが掲載されています。2020年のIFは2.126です。
本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Images in Clinical Tropical Medicine」になります。特にClinical Picture はコンスタントに毎号2-3本掲載されています。内容としては日本ではまず経験することが出来ない様々な感染症が目立ちます。
3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. 字数は「200 words」ただし「複雑なケースの場合は400 words以下」と注記があります
2. 画像については制限枚数の記載はありません。※私のケースは3枚の経過が掲載されています
3. Referenceは「5本以下」
4. Authorは「3名以下」
5. Clinical Pictureのセクションは掲載料がかかりません(Case reportは掲載料がかかります)
5. Clinical Pictureのセクションは掲載料がかかりません(Case reportは掲載料がかかります)
4.査読
Clinical Pictureの査読としては40日程度で最初のResponseがありました(但しCOVID-19のケースだったので通常よりも早いかもしれません。以前投稿したCase reportは60日程度かかっています)。はじめCase reportとして投稿しましたが、投稿の10日後に「文字数を減らしてImages in Clinical Tropical Medicineに再投稿しなさい」と指示され、形式を整えたうえで再度投稿しました。その後30日程度で編集部より返信があり、1か月の期限で3点修正を求められました。Revisionを提出したところ2日後にAcceptとなりました。
5. Accept後
Accept後、5営業日でArticle in pressとして掲載されました。
6.その他
事務的な対応などは取り立てて変わったところはありません。質問事項に対しても丁寧な返信をいただけました。
Accept後、5営業日でArticle in pressとして掲載されました。
6.その他
事務的な対応などは取り立てて変わったところはありません。質問事項に対しても丁寧な返信をいただけました。
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Posted by Hiroki Matsuura - 2021.10.10,Sun
英文誌の特徴(American Journal of the Medical Sciences 編)
American Journal of the Medical SciencesのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。
1.歴史
AJMSはSouthern Society for Clinical Investigationの公式学会誌です。また本誌は1820年に創刊された米国で2番目に古い歴史を持つ医学雑誌です。
2.内容
AJMSは年12回(1回/月)発行される英文誌であり、臨床研究から症例報告に至るまで複数の論文が掲載されています。2020年のIFは2.378であり内科英文誌のなかでは76番目(165雑誌中)に位置します。
本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Online Images in the Medical Sciences」になります。Clinical Picture はコンスタントに毎号4-5本掲載されています。
3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
American Journal of the Medical SciencesのClinical Pictureにおける特徴をご紹介します。気を付けていただきたいのは、本記事で紹介する内容はあくまでも私見だということです。
1.歴史
AJMSはSouthern Society for Clinical Investigationの公式学会誌です。また本誌は1820年に創刊された米国で2番目に古い歴史を持つ医学雑誌です。
2.内容
AJMSは年12回(1回/月)発行される英文誌であり、臨床研究から症例報告に至るまで複数の論文が掲載されています。2020年のIFは2.378であり内科英文誌のなかでは76番目(165雑誌中)に位置します。
本誌のなかでClinical Pictureを扱うセクションは「Online Images in the Medical Sciences」になります。Clinical Picture はコンスタントに毎号4-5本掲載されています。
3.Clinical Pictureの分量や注意点
Author informationによると
1. 字数は「500 words」
2. 画像は「1枚以上3枚以下」でCaptionやLegendは必要ありません
3. Referenceは「3本以下」
4. Authorは「3名以下」
5. 提出の際にフォントはCalibri、12pointで統一するなど細々した指定が多いです
5. 提出の際にフォントはCalibri、12pointで統一するなど細々した指定が多いです
4.査読
ムチャクチャ遅いです。120日程度で返信がありました。今まで投稿したJournalのうちFirst responseで100日を超えたのはNEJM、IM以来(但しNEJMは見込みがなければ即Kick、IMはお察しください)です。これまで3度投稿していますがResponseはかなり悪いです。厳しい修正はありませんでしたが、3名のReviewerから15個ほど修正を求められました。修正の期限は2週間程度に指定されますが、音沙汰の全くない査読期間からすると少々納得いかない気分になります。
5. Accept後
Accept後、3営業日程度でArticle in pressとして掲載されました。
6.その他
事務的な対応なども「一般的」で特筆するような注意点はありません。
※編集部とのメールのやり取りがありましたが、査読期間に比べるとResponseは悪くありませんでした。
Accept後、3営業日程度でArticle in pressとして掲載されました。
6.その他
事務的な対応なども「一般的」で特筆するような注意点はありません。
※編集部とのメールのやり取りがありましたが、査読期間に比べるとResponseは悪くありませんでした。
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.10.09,Sat
Clinical Picture(Case report)が掲載されました(48)
先日アクセプトされました「Amiodarone-induced pneumonitis」がQuarterly Journal of Medicineの2021年6月号に掲載されています(もう10月略)。
Amiodaroneは難治性、致死性の不整脈に古くから使用されている抗不整脈薬です。難治性の心房細動や心室細動にくわえ、低心機能や肥大型心筋症に伴う心房細動が適応になります。特殊な作用機序を有しており、治療抵抗性の不整脈に対して「替えのきかない」重要な薬剤であるという反面、非常に多くの副反応を有します。代表的な副反応には本症例のようなアミオダロン肺障害、甲状腺機能異常、肝障害、角膜障害、色素沈着などが挙げられます。アミオダロンは製剤100mgのうち37mgもヨウ素が含まれており、非常に脂溶性の高い構造をしていることにくわえ半減期が長いことから、長期間の使用で臓器への蓄積が起こりやすいのです。
これらの副反応のうちとりわけ危険性が高く、ときに致死性の経過を辿るのが本剤による肺障害です。既報によると年齢が60歳以上、投与期間が半年以上の群で高リスクとされています。また総投与量も重要であり101gを超えると、肺障害のORは10倍に跳ね上がります。
本症例では新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、原因不明の肺炎として診断に至るまで長い時間を要しました。経過中にあらためて撮影されたCTを確認すると体型や生活習慣に不釣り合いなほどCT値の高い肝臓が目を引きました。これはアミオダロンの長期使用の影響でヨウ素が肝臓に沈着し、まるで造影剤のように肝臓の輝度を引き上げていたことが理由です。肝臓の輝度の高さからアミオダロンによる臓器障害を疑い、本剤を中止したところ肺障害は改善しました。
先日アクセプトされました「Amiodarone-induced pneumonitis」がQuarterly Journal of Medicineの2021年6月号に掲載されています(もう10月略)。
Amiodaroneは難治性、致死性の不整脈に古くから使用されている抗不整脈薬です。難治性の心房細動や心室細動にくわえ、低心機能や肥大型心筋症に伴う心房細動が適応になります。特殊な作用機序を有しており、治療抵抗性の不整脈に対して「替えのきかない」重要な薬剤であるという反面、非常に多くの副反応を有します。代表的な副反応には本症例のようなアミオダロン肺障害、甲状腺機能異常、肝障害、角膜障害、色素沈着などが挙げられます。アミオダロンは製剤100mgのうち37mgもヨウ素が含まれており、非常に脂溶性の高い構造をしていることにくわえ半減期が長いことから、長期間の使用で臓器への蓄積が起こりやすいのです。
これらの副反応のうちとりわけ危険性が高く、ときに致死性の経過を辿るのが本剤による肺障害です。既報によると年齢が60歳以上、投与期間が半年以上の群で高リスクとされています。また総投与量も重要であり101gを超えると、肺障害のORは10倍に跳ね上がります。
本症例では新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、原因不明の肺炎として診断に至るまで長い時間を要しました。経過中にあらためて撮影されたCTを確認すると体型や生活習慣に不釣り合いなほどCT値の高い肝臓が目を引きました。これはアミオダロンの長期使用の影響でヨウ素が肝臓に沈着し、まるで造影剤のように肝臓の輝度を引き上げていたことが理由です。肝臓の輝度の高さからアミオダロンによる臓器障害を疑い、本剤を中止したところ肺障害は改善しました。
以下Journal記事のリンクです。
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.09.22,Wed
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(24)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載中の「撮っておきClinical Picture!」ですが、2021年9月22日付で新しい記事が掲載されました。タイトルは「爪の変色から推測できるあの生活歴」です。
久々に「爪」を取り上げました。ぜひともご参照ください。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「爪の変色から推測できるあの生活歴」
「爪の変色から推測できるあの生活歴」
Posted by Hiroki Matsuura - 2021.09.04,Sat
Clinical Pictureが掲載されました(47)
先日アクセプト「Leriche syndrome」がCleveland Clinic Journal of Medicine の2021年9月号に掲載されています。
Leriche症候群は終末大動脈に生じる中枢型の閉塞性動脈硬化症であり、動脈硬化を主な要因とし腹部大動脈下端から総腸骨動脈にかけて慢性の大動脈閉塞症を引き起こす疾患です。
本症の古典的な三徴は①間欠性跛行 ②下肢脈拍消失 ③勃起不全です。しかしながら本症では慢性的に発達した側副血行路により下肢や骨盤腔内臓器の血流が維持されており、派手な画像所見に比べると症状は軽微であったり無症候性であることも珍しくありません。そのため本症の診断には身体所見が診断の大きな手掛かりになりえます。間欠性跛行を示す疾患はほかにASOや腰部脊柱管狭窄症などが挙がりますが、Leriche症候群を鑑別疾患として忘れないようにしましょう。両下肢の動脈触知を丁寧に行い、脈拍だけではなく「左右差」を評価することも必要です。
また前述のように本症の原因は動脈硬化に起因するものが多数を占め、冠動脈疾患や腎機能障害を併う場合があることから併存疾患の検索が重要です。特に虚血性心疾患の合併が目立つことから、心機能や冠動脈の評価を行いましょう。
足趾の血流障害が強い、あるいは間欠性跛行の増悪が著しい症例に対しては外科的にバイパス術を行います。また内服療法としてはシロスタゾールやアスピリンなどの抗血小板薬が推奨されています。
先日アクセプト「Leriche syndrome」がCleveland Clinic Journal of Medicine の2021年9月号に掲載されています。
Leriche症候群は終末大動脈に生じる中枢型の閉塞性動脈硬化症であり、動脈硬化を主な要因とし腹部大動脈下端から総腸骨動脈にかけて慢性の大動脈閉塞症を引き起こす疾患です。
本症の古典的な三徴は①間欠性跛行 ②下肢脈拍消失 ③勃起不全です。しかしながら本症では慢性的に発達した側副血行路により下肢や骨盤腔内臓器の血流が維持されており、派手な画像所見に比べると症状は軽微であったり無症候性であることも珍しくありません。そのため本症の診断には身体所見が診断の大きな手掛かりになりえます。間欠性跛行を示す疾患はほかにASOや腰部脊柱管狭窄症などが挙がりますが、Leriche症候群を鑑別疾患として忘れないようにしましょう。両下肢の動脈触知を丁寧に行い、脈拍だけではなく「左右差」を評価することも必要です。
また前述のように本症の原因は動脈硬化に起因するものが多数を占め、冠動脈疾患や腎機能障害を併う場合があることから併存疾患の検索が重要です。特に虚血性心疾患の合併が目立つことから、心機能や冠動脈の評価を行いましょう。
足趾の血流障害が強い、あるいは間欠性跛行の増悪が著しい症例に対しては外科的にバイパス術を行います。また内服療法としてはシロスタゾールやアスピリンなどの抗血小板薬が推奨されています。
以下Journal記事のリンクです。
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