英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2020.03.25,Wed
Clinical Pictureが掲載されました(39)
先日アクセプトされました「Right Upper Quadrant Pain With Positive Murphy’s Sign in a 19-Year-Old Woman」がGastroenterologyの2020年度4月号第5集に掲載されています。
今回は突然発症の激しい右上腹部痛を呈した若年女性が問診などから性感染症が疑われ、造影CTで特徴的な画像所見を指摘、Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCs)と診断された症例になります。
そもそもFHCsとは骨盤内炎症性疾患(PID)が上行性に腹膜や肝被膜に波及し肝周囲炎をきたしたもので、原因菌の大多数をChlamydia trachomatisが、次いでNeisseria gonorrhoeaeが占めます。症状として急性発症の激しい右上腹部痛を来たすことから急性胆嚢炎など消化器疾患との鑑別が必要であり、症状の強さから婦人科外来でなくしばしばERに搬送される場合があります。
FHCsは慢性期に移行すると慢性的な上腹部痛などで症状が目立たなくなります。より発見は難しくなることは想像に難くないですが、特にChlamydia感染では不妊や異所性妊娠などを来たす可能性が高まるため、早期発見と治療が将来の妊孕性の維持という点で重要でしょう。
今回投稿した画像にも示されているのですが、画像所見として造影CTが非常に有用であり、早期相において特徴的な肝被膜の濃染像を呈します。
腹痛=消化器疾患と短絡的に考えたくなる症例もありますが、性的活動期にあたる若年女性で右上腹部痛を伴う症例では、性行動についての注意深い問診と性感染症の検索を忘れないようにしましょう。性感染症を診断した場合には他の病原体感染を合併している可能性を考慮し精査を進めてください。そしてパートナーの受診を促し、ピンポン感染を食い止めることも必要です。
以下Journal記事のリンクです。
Gastroenterology
Electronic Clinical Challenges and Images in GI
「Right Upper Quadrant Pain With Positive Murphy’s Sign in a 19-Year-Old Woman」
ぜひともご参照ください。
先日アクセプトされました「Right Upper Quadrant Pain With Positive Murphy’s Sign in a 19-Year-Old Woman」がGastroenterologyの2020年度4月号第5集に掲載されています。
今回は突然発症の激しい右上腹部痛を呈した若年女性が問診などから性感染症が疑われ、造影CTで特徴的な画像所見を指摘、Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCs)と診断された症例になります。
そもそもFHCsとは骨盤内炎症性疾患(PID)が上行性に腹膜や肝被膜に波及し肝周囲炎をきたしたもので、原因菌の大多数をChlamydia trachomatisが、次いでNeisseria gonorrhoeaeが占めます。症状として急性発症の激しい右上腹部痛を来たすことから急性胆嚢炎など消化器疾患との鑑別が必要であり、症状の強さから婦人科外来でなくしばしばERに搬送される場合があります。
FHCsは慢性期に移行すると慢性的な上腹部痛などで症状が目立たなくなります。より発見は難しくなることは想像に難くないですが、特にChlamydia感染では不妊や異所性妊娠などを来たす可能性が高まるため、早期発見と治療が将来の妊孕性の維持という点で重要でしょう。
今回投稿した画像にも示されているのですが、画像所見として造影CTが非常に有用であり、早期相において特徴的な肝被膜の濃染像を呈します。
腹痛=消化器疾患と短絡的に考えたくなる症例もありますが、性的活動期にあたる若年女性で右上腹部痛を伴う症例では、性行動についての注意深い問診と性感染症の検索を忘れないようにしましょう。性感染症を診断した場合には他の病原体感染を合併している可能性を考慮し精査を進めてください。そしてパートナーの受診を促し、ピンポン感染を食い止めることも必要です。
以下Journal記事のリンクです。
Gastroenterology
Electronic Clinical Challenges and Images in GI
「Right Upper Quadrant Pain With Positive Murphy’s Sign in a 19-Year-Old Woman」
ぜひともご参照ください。
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