英文誌への投稿を始めたばかりの後期研修医のブログです。
New England Journal of Medicine の「Images in clinical medicine」への掲載を目標に頑張ります。
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.07.03,Wed
Clinical Pictureが掲載されました(34)
先日アクセプトされました「Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome」がPostgraduate Medical Journalの2019年5月号に掲載されています。
今回はAcute Gastric Dilation(急性胃拡張)がSMA症候群によって生じたというCaseを取り上げています。そもそもSMA症候群は十二指腸水平脚がSuperior Mesenteric Artery(上腸間膜動脈)と大動脈、あるいは脊椎に圧排されることで狭窄や閉塞をきたす疾患で若い痩せ型の女性に多いことが知られています。画像所見としてはSMAと大動脈の分岐角が正常よりも鋭角になっています。
急性胃拡張はその名の通り、過食や排出不良に伴う胃内容物の貯留で胃が拡張するという病態です。神経変性疾患や脳梗塞、糖尿病、術後再建、摂食障害、薬剤によって生じることが知られていますが本症例のようにSMA症候群でも起こりえます。SMA症候群では胃の内容物が大量に存在することで排出遅延が起こることから胃拡張を起こしやすいと考えられています。「ただの胃の拡張じゃないか」と思われる方も多いのですが、意外にも重症例が多数報告されています。
胃は支配血管が豊富であることから阻血になりにくいとされていますが、胃の急激な拡張で内部から血管が圧排され胃表面の血流が乏しくなり、最終的に組織壊死に至ると胃破裂をおこします。胃破裂を起こした場合の予後は不良であり死亡例が多数報告されていますから、本症の患者を診た際には胃管挿入による迅速な減圧が必要です。
本症例でも来院後すぐに胃管を挿入のうえ、胃表面の血流を腹部超音波検査で確認し注意深い経過観察を必要としました。さまざまな論文を確認すると急性胃拡張を起こした症例の多くで精神科疾患を有する場合が多いとされています。たとえ急性胃拡張が軽症で済んだとしても背景疾患として摂食障害がある可能性は否定できません。注意深い問診で患者の生活歴を知り、精神科や心療内科と相談しながら対応する必要があるかもしれません。
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome」
※有料会員のみ購読可能です
先日アクセプトされました「Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome」がPostgraduate Medical Journalの2019年5月号に掲載されています。
今回はAcute Gastric Dilation(急性胃拡張)がSMA症候群によって生じたというCaseを取り上げています。そもそもSMA症候群は十二指腸水平脚がSuperior Mesenteric Artery(上腸間膜動脈)と大動脈、あるいは脊椎に圧排されることで狭窄や閉塞をきたす疾患で若い痩せ型の女性に多いことが知られています。画像所見としてはSMAと大動脈の分岐角が正常よりも鋭角になっています。
急性胃拡張はその名の通り、過食や排出不良に伴う胃内容物の貯留で胃が拡張するという病態です。神経変性疾患や脳梗塞、糖尿病、術後再建、摂食障害、薬剤によって生じることが知られていますが本症例のようにSMA症候群でも起こりえます。SMA症候群では胃の内容物が大量に存在することで排出遅延が起こることから胃拡張を起こしやすいと考えられています。「ただの胃の拡張じゃないか」と思われる方も多いのですが、意外にも重症例が多数報告されています。
胃は支配血管が豊富であることから阻血になりにくいとされていますが、胃の急激な拡張で内部から血管が圧排され胃表面の血流が乏しくなり、最終的に組織壊死に至ると胃破裂をおこします。胃破裂を起こした場合の予後は不良であり死亡例が多数報告されていますから、本症の患者を診た際には胃管挿入による迅速な減圧が必要です。
本症例でも来院後すぐに胃管を挿入のうえ、胃表面の血流を腹部超音波検査で確認し注意深い経過観察を必要としました。さまざまな論文を確認すると急性胃拡張を起こした症例の多くで精神科疾患を有する場合が多いとされています。たとえ急性胃拡張が軽症で済んだとしても背景疾患として摂食障害がある可能性は否定できません。注意深い問診で患者の生活歴を知り、精神科や心療内科と相談しながら対応する必要があるかもしれません。
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Acute Gastric Dilation caused by Superior Mesenteric Artery syndrome」
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Posted by Hiroki Matsuura - 2019.07.02,Tue
Clinical Pictureが掲載されました(33)
先日アクセプトされました「Whitish-yellow tapeworm」がPostgraduate Medical Journalの2019年1月号に掲載されています。
今回掲載された日本海裂頭条虫はサクラマスやカラフトマスに寄生し、最終宿主の体内で10mにまで成長する寄生虫です。大きさの割には症状は軽微ですむことが多く、ヒトにおいては腹部膨満感や原因不明のビタミンB12欠乏などで発見されるケースが多いとされています。
強調したい点は本症を含む裂頭条虫症では適切な調理をしていれば感染を予防できるという点です(マイナス20度で24時間以上、55℃以上で加熱5分以上)。本症例では患者は個人的に友人から頻回にサクラマスを手に入れており、冷凍処理や加熱調理することなく喫食していたことが原因でした。
本症をみてサケが食べられなくなったという苦情をいただきますが、徒らにサケを避けるのは少々もったいない話です。「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」、上記の方法で適切に処理されているサケを食べるのは全く問題ないのです。正しい知識をもって美味しいサケを堪能しましょう。
ただし豚レバー生食はダメ、ゼッタイ!
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Whitish-yellow tapeworm」
※有料会員のみ購読可能です
先日アクセプトされました「Whitish-yellow tapeworm」がPostgraduate Medical Journalの2019年1月号に掲載されています。
今回掲載された日本海裂頭条虫はサクラマスやカラフトマスに寄生し、最終宿主の体内で10mにまで成長する寄生虫です。大きさの割には症状は軽微ですむことが多く、ヒトにおいては腹部膨満感や原因不明のビタミンB12欠乏などで発見されるケースが多いとされています。
強調したい点は本症を含む裂頭条虫症では適切な調理をしていれば感染を予防できるという点です(マイナス20度で24時間以上、55℃以上で加熱5分以上)。本症例では患者は個人的に友人から頻回にサクラマスを手に入れており、冷凍処理や加熱調理することなく喫食していたことが原因でした。
本症をみてサケが食べられなくなったという苦情をいただきますが、徒らにサケを避けるのは少々もったいない話です。「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」、上記の方法で適切に処理されているサケを食べるのは全く問題ないのです。正しい知識をもって美味しいサケを堪能しましょう。
ただし豚レバー生食はダメ、ゼッタイ!
以下Journal記事のリンクです。
Postgraduate Medical Journal
Images in Medicine
「Whitish-yellow tapeworm」
※有料会員のみ購読可能です
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.06.12,Wed
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(4)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、6月12日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げた症例は角化型疥癬、いわゆる「ノルウェー疥癬」です。CCJMに投稿した症例とは別のものになりますが、経過は似ており「90歳代の施設入所中の女性に生じた下肢発赤に対してステロイド軟膏を漫然と長期使用し増悪した」というものです。本症は公衆衛生上大きな問題となる疾患なので、早期発見と治療が非常に重要な疾患です。
治療薬や対処法についても簡単に述べておりますので是非ご参照ください。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「足趾角化部の検鏡で見えた、あの病原生物」
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、6月12日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げた症例は角化型疥癬、いわゆる「ノルウェー疥癬」です。CCJMに投稿した症例とは別のものになりますが、経過は似ており「90歳代の施設入所中の女性に生じた下肢発赤に対してステロイド軟膏を漫然と長期使用し増悪した」というものです。本症は公衆衛生上大きな問題となる疾患なので、早期発見と治療が非常に重要な疾患です。
治療薬や対処法についても簡単に述べておりますので是非ご参照ください。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「足趾角化部の検鏡で見えた、あの病原生物」
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.04.23,Tue
撮っておきClinical Picture!(Cadetto.jp)更新のお知らせ(3)
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、4月18日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げた症例は胸部レントゲン写真でまれに観察される「Chilaiditi徴候」についてです。Chilaiditi徴候は右横隔膜と肝臓右葉前面との間に結腸や空腸、回腸が嵌まり込むことで、まるでフリーエアのようにうつる所見を言います。注意深く観察すれば内部にハウストラが存在するため鑑別は容易なのですが、画像診断の発達していなかった時代には腸管穿孔と誤診され稀に開腹手術に至ったという何とも人騒がせな所見です。
百聞は一見に如かず、詳細と画像は本記事をご参照いただきたいと思います。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「胸部X線画像に現れる人騒がせなあの徴候」
日経メディカル姉妹誌で若手医師と医学生のためのサイト「Cadetto.jp」にて、2019年1月より連載が始まりました「撮っておきClinical Picture!」ですが、4月18日付で新しい記事が掲載されました。
今回取り上げた症例は胸部レントゲン写真でまれに観察される「Chilaiditi徴候」についてです。Chilaiditi徴候は右横隔膜と肝臓右葉前面との間に結腸や空腸、回腸が嵌まり込むことで、まるでフリーエアのようにうつる所見を言います。注意深く観察すれば内部にハウストラが存在するため鑑別は容易なのですが、画像診断の発達していなかった時代には腸管穿孔と誤診され稀に開腹手術に至ったという何とも人騒がせな所見です。
百聞は一見に如かず、詳細と画像は本記事をご参照いただきたいと思います。
以下、記事のリンクです。
撮っておきClinical Picture!
「胸部X線画像に現れる人騒がせなあの徴候」
Posted by Hiroki Matsuura - 2019.04.18,Thu
Clinical Pictureが掲載されました(32)
先日アクセプトされました「Norwegian Scabies」がCleveland Clinic Journal of Medicine の3月号に掲載されています。
Norwegian scabiesは角化型疥癬の通称「ノルウェー疥癬」のことです。疥癬はヒゼンダニによって生じる皮膚感染症であり、激痒と表現される非常に強い痒みを特徴とします。一般的な疥癬(通常疥癬)は免疫力が正常な人にも感染が起き、病巣には数十匹程度の虫体が存在しますが、免疫力の低下した患者に起きる角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では数百万を超える虫体と爆発的な感染力を有します。本症例では残念なことに、私と指導医の皮膚科Drが感染してしまいました。このような爆発的な感染力のため院内感染が起きる危険が非常に高く、Clinical Pictureでその性状を知ることが非常に有用です。
本症の確定診断は虫体の確認ですが、疑わしい病歴として「周囲の疥癬患者」「ステロイド軟膏使用歴」などの聴取が必要です。よくあるパターンとしては寝たきり全介助の高齢者に皮疹があらわれ「特に何も考えなく」ステロイド軟膏を処方し、増悪しているのに継続する、といったパターンがあります。本症例でも同様の経過があり、療養型の病院で「何の考えなく」ステロイド軟膏を長期間にわたって塗布され続けて増悪し、病院職員にも多数疥癬患者が出たというものでした。皆様もお気を付けください。
以下Journal記事のリンクです。
Cleveland Clinic Journal of Medicine
The Clinical Picture
「Norwegian Scabies」
先日アクセプトされました「Norwegian Scabies」がCleveland Clinic Journal of Medicine の3月号に掲載されています。
Norwegian scabiesは角化型疥癬の通称「ノルウェー疥癬」のことです。疥癬はヒゼンダニによって生じる皮膚感染症であり、激痒と表現される非常に強い痒みを特徴とします。一般的な疥癬(通常疥癬)は免疫力が正常な人にも感染が起き、病巣には数十匹程度の虫体が存在しますが、免疫力の低下した患者に起きる角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では数百万を超える虫体と爆発的な感染力を有します。本症例では残念なことに、私と指導医の皮膚科Drが感染してしまいました。このような爆発的な感染力のため院内感染が起きる危険が非常に高く、Clinical Pictureでその性状を知ることが非常に有用です。
本症の確定診断は虫体の確認ですが、疑わしい病歴として「周囲の疥癬患者」「ステロイド軟膏使用歴」などの聴取が必要です。よくあるパターンとしては寝たきり全介助の高齢者に皮疹があらわれ「特に何も考えなく」ステロイド軟膏を処方し、増悪しているのに継続する、といったパターンがあります。本症例でも同様の経過があり、療養型の病院で「何の考えなく」ステロイド軟膏を長期間にわたって塗布され続けて増悪し、病院職員にも多数疥癬患者が出たというものでした。皆様もお気を付けください。
以下Journal記事のリンクです。
Cleveland Clinic Journal of Medicine
The Clinical Picture
「Norwegian Scabies」
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